[メイン] 仮2nd : x5 3d6 #1 (3D6) > 9[4,3,2] > 9 #2 (3D6) > 11[2,3,6] > 11 #3 (3D6) > 11[6,2,3] > 11 #4 (3D6) > 14[3,6,5] > 14 #5 (3D6) > 5[1,1,3] > 5
[メイン] 仮 : x5 3d6 #1 (3D6) > 11[6,1,4] > 11 #2 (3D6) > 10[3,4,3] > 10 #3 (3D6) > 12[3,3,6] > 12 #4 (3D6) > 11[2,4,5] > 11 #5 (3D6) > 7[1,3,3] > 7
[メイン] GM : 準備がよろしければ教えて下さい
[メイン] 井ノ上たきな : 教えます
[メイン] ウィスパーレイン : 教えます…
[メイン] GM : では…出航ですわ~!!!
[メイン] 井ノ上たきな : 出航ですよ〜〜!!!
[メイン] ウィスパーレイン : 出航です……!
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 暗闇の中、ひんやりとした空気を肌で感じる。
[メイン]
GM :
心地良い水音が耳に届いている。
全身で感じる感覚も、どことなく水面に漂っているかのようだ。
[メイン]
GM :
波のゆりかごに揺られるように、再び意識を沈ませようとしたそのときだった。
突如、額に冷たい水滴が落とされる。
[メイン]
GM :
頭に直接響くようなその感覚に、思わず身体を強ばらせて目を開いた。
探索者の意識は完全に覚醒する。
[メイン] GM : 体が濡れている。
[メイン]
GM :
はじめに感じたのは、そんな感覚だった。
全身がずぶ濡れのような、ほとんど濡れていないような、曖昧な感覚。
[メイン]
GM :
確認のため動こうと身じろぎをすれば、地面が小さく波立った。
その波は波紋となり、暗い空間に広がる水鏡のような地面に、ただただ均等に広がっていく。
[メイン]
GM :
やがて波紋は空間の壁に到達したようだった。
壁に跳ね返った波も消え、再び空間に静寂と平静が戻る。
[メイン]
GM :
その壁や柱と思しき場所に青い光の点が幾つも浮かび上がったのは、それからしばらくしてのことだった。
明るくはあるが決して眩しくはない光が、空間の壁を下から覆っていく。
[メイン] GM : 次々と灯る光を目で追えば、この空間が円柱にドーム状の屋根を取り付けたような形をしていることが判明する。
[メイン] GM : 地面を覆う、水深1cmにも満たないであろう水鏡により、この部屋の全てが小さな青い光の点に包まれた。
[メイン] GM : 改めて身を起こし、立ち上がれば、そこに映る光と自分の姿が波立つ。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
むくり、と上体を起こす。……いつから気を失ってしまっていたんでしょうか?
それに……見覚えのない空間。
[メイン]
井ノ上たきな :
濡れた裾をしぼりつつ、周囲の危険を確認します。
どうやら、もう一人いるようですが……今のところ敵意までは感じません。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あの。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………」
ぼーっと天井を見上げていた。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………」
[メイン] 井ノ上たきな : 「あの」
[メイン] ウィスパーレイン : スカートまで水に浸かったまま、首を上に向け……
[メイン] ウィスパーレイン : 「!!!!!!!!??????????」
[メイン] 井ノ上たきな : 「!?!!?!?!!?!?!?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
二回声をかけられたときに初めて自分以外の存在に気付いた。
それはもう、すごい速度で振り返った。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ、あ、ああ……」
口を動かす。言葉にならない……!
[メイン]
井ノ上たきな :
……。
落ち着いた方かと思いましたが、単に反応がものすごく遅いだけでしたか……
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ど、どうも……失礼しています……」
もう。この場所にいることがいたたまれない。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……え、えっと。井ノ上たきなと言います」
……いや、どちらかと言えば、わたしの方も失礼している立場なんですが。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……おそらくですが、あなたとは利害の一致する関係を結べると考えています。……立てますか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ウィスパーレイン、と名乗っています……」
ああ、名乗りすら遅れていた。
非礼に非礼を上塗りし続けている……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……申し訳ありません。大丈夫です……」
ゆらっと立ち上がる。
「医師が心配されるようでは……面目が立ちませんね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
利害の一致する関係……
目覚めて、私はこの心地いい水音のする空間にいた。この人……井ノ上さんも同じ立場だということだろう。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……へぇ。お医者さん、ですか」
専門的なことは詳しくありませんが……実際その様子で務まるのでしょうか?
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ええ。おケガがあれば……申しつけください……」
「私も、実は今何が起きているのか分からないのです……井ノ上さんとご協力できるなら……それはありがたいですが……」
[メイン]
井ノ上たきな :
立ち上がり、彼女が改めて部屋を見渡すのを見ながら。
「はい、ちょうど私からも同様の要請を申し出ようとしていたところです。お願いできるでしょうか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……こちらこそ、よろしくお願いします」
こくりと頷く。
[メイン]
ウィスパーレイン :
井ノ上さんの態度は硬質だ。
でも……今までのことだけでも、悪意のない人だということは分かった。
私の方が、信頼してもらえるかどうかは別として……。
[メイン] 井ノ上たきな : 少なくとも、今いるこの不思議空間よりかは……彼女の発言の方がずっと合理的に理解しやすいのは、ある種の救いでしょう。
[メイン]
井ノ上たきな :
頷きを返して。
「……では、改めて。ここのこと、何かご存知でしょうか?」
[メイン] 井ノ上たきな : とりあえず、周囲に目につくものがないかその場で見渡しましょう。
[メイン]
GM :
身近なもので例えるならば、この部屋に浮かび上がる【青い光】の点は、青色発光ダイオードに近いと思える。
あまりにも数が多すぎて、全て数えることは不可能だろう。
空間内に他の光源はないが、これだけの数があれば十分な明かりだ。
探索者の姿もしっかりと確認出来る。
…しかし、これだけ明るく輝いているのに、【壁】や【地面】は全く見えない。
もともと真っ黒なのだろうか?
[メイン] ウィスパーレイン : 問いかけにはふるふると横に首を振りながら。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「先ほど、目覚めたばかりで……。
この、青く美しい空間のことは私にも分からないのです……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……なるほど」
連れてこられた立場であろうに、"美しい"とは……なかなか冷静な評価ですね。
[メイン] 井ノ上たきな : 「しかし、的を射ていますね。ただわたしたちを拉致あるいは監禁したいだけなら、このような空間にわざわざ放り込む理由がありません。……その意図までは不明ですが、そこまで怯えている必要もないのかも」
[メイン] ウィスパーレイン : 「そうですね……ここはとても静かで、穏やかに見えます……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「しかし……経緯はともかく……。出口が見当たりませんね……」
記憶はないが、自分は外から入ってきた。
なら、外へ出るための出入り口もある……はず。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ええ」
すたすた、と歩みを進めて近くに【壁】が見えないか探す。
[メイン]
GM :
歩みを進め、ぐるりと見渡してみると、壁の一部に不自然な部分がある。
特に規則性なく満遍なくついている青い光が、一部だけ線を残すように途切れていた。
浮かび上がった輪郭は大きな長方形で、なんとなく両開きの【扉】のように思える。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……こちらですね。行きましょう」
勝手にその【扉】らしきものを開けてしまおうとする
[メイン]
GM :
青い光の中、輪郭だけ浮かび上がった両開きの扉。
あまりよく見えないが、鍵穴やドアノブがあるようには見えない。
下部はほんの少しだけ地面から浮いており、僅かながら段差があることを示している。
鍵はかかっていないので、押せば開く。
[メイン] ウィスパーレイン : 「え……!お、お待ちください……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……こ、怖くないのですか?未知の場所で、簡単に進んでしまうなんて……」
扉を見つけるなり、迷ったりする様子も見せないなんて……驚いた。
[メイン]
井ノ上たきな :
「うぅん……というか、その方が合理的かと……」
少し考え。
[メイン] 井ノ上たきな : 「まぁ……とはいえ確かに未知の場所の調査しておくことも、この先の危険度を測る上では重要かもしれません」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……お体を大事にするべきだと、思います。生は一度しかないのですから……」
危なっかしい彼女にこくりと頷きつつ。
[メイン]
井ノ上たきな :
またウィスパーレインの元へ戻ってくる。
……そういえば、この空間を気に入っているような口振りでしたし。当面の危険がなければ、急かすのも良くありませんか……
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。はい」
心配していただいているのは、お医者さんだから…ということなのでしょうか。
[メイン] ウィスパーレイン : ではGMさん、地面を調べてみますね
[メイン]
GM :
ごく少量の水が張った、鏡のような地面。
ほとんど水がないせいか、水面に立っているような錯覚をおぼえる。
水面には無数の青い光と探索者の姿が映っており、動く度に揺らぎひとつない水鏡に波紋が広がっていく。
[メイン] ウィスパーレイン : 技能は…振れますか?
[メイン] GM : 振ってもなにも
[メイン] ウィスパーレイン : ゾッ……!!!!????!
[メイン] ウィスパーレイン : 歩みで波紋を立てながら、地面を見る。
[メイン] ウィスパーレイン : 「煌めく、星々のような一面の光……夜空に足を付けているようです」
[メイン] ウィスパーレイン : しかし、この光源は……一体……?
[メイン] ウィスパーレイン : というわけで【青い光】も見ておきます
[メイン]
GM :
無数の青い光。大きさはある程度一定で、ひとつの直径は1mmほどだろうか。
触れればそこが壁より少し出っ張っていることがわかる。
試しに引っ掻いたりしてみても、取れそうな気配はない。
熱や匂いなどは特にない。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「この灯……電球のように見えますが、熱も無いとは……」
壁に手を付きながら光源を間近で見る。
[メイン] ウィスパーレイン : 井ノ上さんを振り返って。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「不思議な場所、ですが……どうやら、他には何もないようです」
”何もない”という言い方も、この広間に対しては風情がなくはあるけど。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
ウィスパーレインの言い回しに惹かれて、上下左右をじっくりと観察する。
……どこか儚げな彼女に、この空間が映えてわたしの視界に入るのは確かですが……あいにく、修辞というものは得意ではありません。
[メイン] 井ノ上たきな : 「なるほど。……ウィスパーレインさんは、ロマンチックな方ですね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……え?」
呆気に取られて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「えっ?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ、ああ、ああ……あの……ありがとうございます」
顔を赤くしていく。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
「……あ……ええと、別に深い意味はなくてですね……!?」
[メイン] 井ノ上たきな : ……そう恥ずかしがられたら、恥ずかしいことを言ってしまったみたいじゃないですか!?
[メイン] ウィスパーレイン : 「嬉しいお言葉なんです!ただ……すみません、意識をしていなかったのに、褒めていただいて……気恥ずかしい、と言いますか……」
[メイン] ウィスパーレイン : なんだか、とても嬉しくも……恥ずかしいことを言われてしまいました……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ、あ……次のお部屋に向かいましょうか……?」
顔を隠すために俯かせながら。
……目の前の少女との身長差では、あまり意味が無いかもしれない。
[メイン]
井ノ上たきな :
「は、はい……ウィスパーレインさんが構わなければ……」
……ううん、なんだかわたしまで少し調子が狂ってしまいますね。
まぁ、いいように考えれば……違うタイプの相手と組めば、見逃しが減るとも捉えられますが。……事実、光源が電球だったなんて気付きませんでしたし。
[メイン] 井ノ上たきな : とにかく、先導しつつ次の部屋への【扉】を開けましょう
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あっ。段差があるようなので──」
[メイン] ウィスパーレイン : 「──えっ?」
[メイン] ウィスパーレイン : 実のところ、俯いていても顔を隠すためでしかないので足元なんて──
[メイン] ウィスパーレイン : 忠告むなしく、つま先からこつんと堅い感触が伝わった時には体が前に倒れていた。
[メイン] 井ノ上たきな : 「ちょ……っ!!?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………っ」
痛みに備えて、目を瞑る。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……っ……と!」
あわてて飛び出し、すんでのところで身体を抱える。
[メイン] ウィスパーレイン : ぽふっ。
[メイン] 井ノ上たきな : ……え、軽っ……
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………?あ、れ……」
でも、予想していた痛みは来ず。柔らかいものに体を支えられていた。
おそるおそる目を開く。
[メイン] ウィスパーレイン : すると、驚いたような彼女の顔が──
[メイン] ウィスパーレイン : ……近い!
[メイン]
ウィスパーレイン :
「す、す、すいません……っ!すぐ離れます……!」
わちゃわちゃわちゃわちゃ
ただでさえ人と距離が近いのは得意ではないのに、申し訳なさや感謝の気持ちが混ざって、もうどうすればいいのでしょうか。
[メイン] 井ノ上たきな : 「あ……えっ、えっと……!」
[メイン] 井ノ上たきな : ……ここで体制を崩しても危ないので、一度そのまま段差のない場所まで移動します……!
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……!?!?」
相手から離してくれなかった。
[メイン]
GM :
重い音を立ててゆっくりと扉が開いた。
その瞬間、隙間から眩い光が差し込む。
あまりの眩しさに一度目を瞑り、次に開けばそこは蒼く明るい部屋。
[メイン]
GM :
【壁や床】に様々な紋様が描かれており、幾つかの【家具】も置かれている。
ここはどこかとその様子を見ていると、目の前、そして自身の上を巨大なものの影が通り過ぎていった。
思わず見上げれば、そこには驚くべき光景が広がっていた。
[メイン]
GM :
無数の色とりどりな魚が泳ぎ回り、蒼い世界に満遍なく彩りを添えている。
その向こう、少し遠くのほうには、悠然と泳ぐクジラらしき影。
更にはるか彼方に、水に閉じられた世界の天井をエメラルドグリーンに照らす太陽の光。
[メイン]
GM :
しばらく理解が追いつかないほどの光景に釘付けになる。
視界を通り過ぎていく魚の群を、無意識に目で追う。
そうして水流を肌に感じたとき、漸く実感をもつことができた。
[メイン] GM : 自分は海の中に居る。
[メイン] GM : 水中から、魚たちを見上げている。
[メイン]
GM :
そう理解したとき、突然胸が苦しくなる感覚があったが、不思議と呼吸はできている。
この場所は一体何なのだろうか。奇妙な感覚にとらわれる。SANc(0/1)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=60 (1D100<=60) > 98 > 致命的失敗
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] SAN : 60 → 59
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=55 SANc (1D100<=55) > 87 > 失敗
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] SAN : 55 → 54
[メイン]
GM :
よく見ると、この部屋の中にも数匹の魚が泳いでいる。
端のほうには小さな【蟹】、壁にはウミウシ。
柱と柱の間を通り、左の部屋へと泳いでいく小魚の群。
どうやら、この場所には壁や天井がほとんどないようだ。
正面には何か紋様が描かれた壁があるのだが、左右には壁も扉も何も無い。
その先に床が続いているくらいで、遠くまで海中の景色が広がっている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「──」
光に目を抑える、のも束の間。息をのむことも忘れて目の前の光景に魅入られた。
解放してもらおうともがくのもやめて。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……?」
急に抵抗をやめたウィスパーレインに、思わずその視線の先を振り返り……そして、同様の表情をする。
[メイン] ウィスパーレイン : 「…………」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「綺麗……」
ようやく出たのは、零れるようなたった3文字だけ。
ただ、それだけの言葉でもこの気持ちを表すには十分だった。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。」
[メイン] 井ノ上たきな : 我に返るように、はっ……とウィスパーレインをその場に下ろす。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………ええ」
彼女でなくても、ここまでの幻想的な視覚効果を前にすればわかる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
わっ。
久しぶりに地面に足が着いた気がする。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ふふ」
彼女も同じく小さな一言。
それだけでも、同じ感動を共有できる人がいると分かって小さく笑みが漏れる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ありがとうございます、運んでくださって」
いや本当は降ろしてほしかったところはあるけど。
……嫌な気持ちはしなかった。
[メイン]
井ノ上たきな :
それに同意するようにこくん、と頷く。
「わたしが安全確認を怠ったこともありますから……怪我がなくて良かったです。」
[メイン] 井ノ上たきな : 「それより……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………どうやら、理解は追いつきませんが……海の中のようですね」
少し悩んだが、言葉を飾るのは自分の役目ではないと感じてそのままを伝える。
[メイン] ウィスパーレイン : 「ええ。海は私たちの故郷と言います。里帰り、と言えるかもしれません……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
居心地よく返す。
水気の多い場所の方が体調がよくなるので。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ですが、ただの海ではありませんね。文明の跡が見えます……」
家具や、壁と床の文様を見渡しながら。
[メイン]
井ノ上たきな :
「ふむ……海底遺跡のようなものでしょうか?」
そのうちひとつの【家具】に近付いてみる。
[メイン]
GM :
大小様々な壷が並んでいるほか、壊れた机のようなものの残骸なども見当たる。
どれもが金色を基調としているようで、青い空間と相まって豪華な印象を受ける。
家具の中を調べても、特に何も入っていない。
[メイン]
井ノ上たきな :
顔を上げて。
「金色の骨董品……一般的に人間が利用するものに近しいことから、以前存在した文明やらが沈んでできたものかもしれません。それと──」
[メイン] 井ノ上たきな : 先程と同じように、隠れた扉がないか【壁や床】を観察しに行く。
[メイン]
GM :
綺麗な青色をしている。
何かの絵や紋様が描かれているようだが、崩れていたりするせいもあって意味はよくわからない。
どことなく、魚や海藻といったものを表しているように見えなくもない。
巨大なタコやイカなども描かれていて、中でも特に大きく描かれているのはサメのようだ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……さかな?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
彼女の語り口は、客観的かつ冷静な分析に裏付けられて必要な事実だけを伝えてくる。
話すのが苦手な私には、聞きやすくて心地の良い話し方。
[メイン]
ウィスパーレイン :
なんとなく……今まで見てきた中では軍人のような人たちに似ている。
でも、その言葉が不意に自信を失うのに気付き。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「魚……ですね」
壁や床に、海の風景が書かれている。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……っと」
それに目を取られているうち、いつの間にかウィスパーレインが近くに来ていたことに気付く。……あまり自信の持てないような所作が多かったけど、彼女ならわたしよりもこういった方面に詳しいかもしれません。
[メイン] 井ノ上たきな : 「何か、わかったりする……でしょうか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ううん……」
少し頭を悩ませ。
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 放浪医師 (1D100<=75) > 39 > 成功
[メイン] GM : こんな水深にいるはずがなかったり、同時にいるはずのない生物がいることもわかる。SANc(0/1)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=59 (1D100<=59) > 41 > 成功
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……生き物の分布がおかしいですね」
辺りを泳ぐ魚を見回しながら。
[メイン] 井ノ上たきな : 「!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「本来なら、こんな水深に住んでいるはずがない魚まで泳いでいます……」
壁画と直接関係するかはわかりませんが、と付け加えて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「ふむ……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……いえ、むしろそれならば納得もできます。……つまるところ、やはりこれは本物の海ではなく……何か別の意図で作られた偽物、ホログラムか何かである可能性が高いかもしれません」
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=54 SANc (1D100<=54) > 31 > 成功
[メイン]
ウィスパーレイン :
「偽物……ですか」
頷ける話だと思う。全てが普通ではありえないように動いているんだから。
[メイン] ウィスパーレイン : ……確かな生を持って動いているように見えるこの魚たちが、本当に偽物なのだろうか?
[メイン] ウィスパーレイン : そこで目についたのは隅にいて、自分でもよく観察できそうな……小さな【蟹】。
[メイン] GM : 部屋の中を歩き回る蟹が何匹か見える。
[メイン] GM : その群の中、一際大きな個体の背には星の模様が浮き出ているように見える。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……? 不思議な模様ですね……」
星の模様を浮かべた蟹に近付いてみる。
[メイン] カニ : 近づくウィスパーレインのことを気にすることもなく、群れと一緒に部屋の中を歩き回っている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………」
かわいらしく見えて手で触ってみる。
[メイン] カニ : 特別変わった感触がすることはない。
[メイン] ウィスパーレイン : なで……なで……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
……なんでしょう、ちょっと可愛らしいというか……声を掛けづらくなってしまいましたが。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ええと。ウィスパーレインさん……こっち、いいでしょうか?」
しゃがみこんで視線を合わせ、左の部屋の方を指す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ……ええ、大丈夫です」
ひらっとカニから手を離して。
[メイン] カニ : 群れの中に戻っていく。
[メイン]
ウィスパーレイン :
(多分)年下の子に視線を合わせられると……す、すごい気持ちになる。
誤魔化すように咳払いして立ち上がる。
[メイン] 井ノ上たきな : ……くすっ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「柱の間に魚が入っていくのを見ました。……絵のこともありますが、念の為危険な海棲生物がいないか警戒しておきましょう」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……! わかりました」
さらりとした注意の言葉。
さっきの自分の身を大事にしてほいいという言葉を聞いてくれているみたいで嬉しい。
[メイン] 井ノ上たきな : その言葉を確認し、そのまま一緒に隣の部屋へと向かう。
[メイン]
GM :
最初の建物側以外には【壁】が存在しない部屋。
周囲や遠くのほうまで見渡すことができ、この空間についての大まかなことと、遙か遠くのほうで悠々と泳ぐ色彩豊かな魚たちが見える。
[メイン] GM : 端は崖になっていて通れそうに無いが、そのしばらく向こうは珊瑚礁になっているようで、上にいくにつれ届く日光が増し、差し込む光を受けてサンゴやイソギンチャク、魚たちが煌めいている。
[メイン] GM : また、そちら側には時折【イルカ】が深くまでやって来ているようで、崖のギリギリまで行けば触れられそうな距離まで来ている。
[メイン]
GM :
最初の建物の向かい側には、部屋の区切りを表すように線が引かれており、更に道が続いている。
この部屋の床はほとんど砂を被っているようだが、他の部屋と同じように【紋様】が描かれているようだ。
[メイン] 井ノ上たきな : ……広い空間ですね。本当に海そっくりですが……もしそうなら、わたしたちがこうして呼吸ができている理由も分かりませんし。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……見たところ、外……?に出たようですね」
ウィスパーレインを振り返りつつ、【壁】や周囲を確認する。
[メイン]
GM :
この部屋の壁には、人間とイルカのようなものが描かれている。
人間が輝く青い宝石のようなものを手にしており、イルカがそれに寄ってきているように見える絵だ。
[メイン] 井ノ上たきな : ……ううん。先程の空間は確か金色の骨董品ばかりで、このような青い宝石は……
[メイン] ウィスパーレイン : 「そうですね……水面越しの日光で、海が輝いています」
[メイン] ウィスパーレイン : 彼女に続くように、辺りを見回して【紋様】を調べる。
[メイン]
GM :
よく見ると、この紋様はハッキリと何か大きな形を表しているように見える。
多少強引にでも砂を退ければ、何が描かれているのかわかりそうだ。
[メイン] ウィスパーレイン : では、しゃがみこんで砂を退けてみましょう
[メイン]
GM :
どうやら地図のようなものが描かれていたらしい。
ところどころに魚の絵があるほか、文字のようなものも見て取れるが、ただの記号にしか見えない。
探索者は、この地図と今見えるものの状態を照らし合わせ、おおよその形状を把握することができる。
[メイン] ウィスパーレイン : 少し砂で擦れただけで皮膚が負けて、手が赤くなってしまった。
[メイン]
ウィスパーレイン :
井ノ上さんの方を見上げて。
「これ……地図みたいです」
[メイン] 井ノ上たきな : 「あ、本当ですね……よく見つけてくれ……!??」
[メイン]
井ノ上たきな :
「どっ、どうしたんですか…それ!?」
すぐに隣にしゃがみ込んで赤くなった手を取る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「わっ……!?」
目を丸くする。
……う、薄々思っていたけど……意外と距離の近い人。
[メイン]
ウィスパーレイン :
小さく息を吐き。
「……私の身体は、大半の人よりも虚弱なのです。私の一族は、ずっと悩まされています……この体質に」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………っ……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
表情を変えた彼女に、自分も胸を締め付けられる思いになる。
「……ですから……井ノ上さん、私に思い入れてくださるのは嬉しいのですが……」
[メイン] ウィスパーレイン : 「それは、最後には残酷な結果になりますから……私のことは同じ屋根の下で雨宿りをしているだけの旅人だと思って、お気になさらず……ただの、一時的な協力者とだけ思っていただく方がよろしいかと……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「手は……もう、大丈夫です。もう少し辺りを調べましょう」
井ノ上さんの手の中で赤みの引いてきた手を放して。
少しだけ距離を取って立ち上がる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……何言ってるんですか」
ぱしり、と……まだ赤みの残る部位を避けて握り直す。
[メイン] ウィスパーレイン : 「え……」
[メイン] 井ノ上たきな : はぁ……と小さく息を吐き。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……事情あって詳細は明かせませんが……わたしだって、これでも人助けの仕事をしているんです。……同じ屋根の下で雨宿りをしているだけの旅人だとしても、もし怪我をしていれば……医者であるあなたには、見過ごせますか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「それ、は……」
言い返せなくて視線を下げる。
[メイン]
井ノ上たきな :
……それに、同じように病で悩んでいた子を知っているし。
「ですから。わたしがそれを治してみせる、なんてことは言えませんが……せめて協力者である間くらいは、わたしに協力させてください」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……その。ウィスパーレインさんさえよければ……ですけど」
……少し押し付けがましい言い方になってしまったことに慌てて付け加え。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……いえ」
[メイン]
ウィスパーレイン :
言葉の温かさが、孤独な胸に染み込む思いがして。
手の温かさが、包まれた手から伝わり。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ありがとう、ございます……っ」
震える声で吐き出す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
人を遠ざけるべきだと頭では分かっていても、心はずっとそうは思っていなかった。
ここまで近付いてくれる人がいて、それが分かった……。
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
……物言いで人からは距離を置かれることの方が多かった気もするけど……
こんな風にまっすぐに感謝を伝えてもらうのって、初めてかも……
[メイン]
井ノ上たきな :
「……そう言ってもらうのは、ここを無事に出てからですよ」
そんな気持ちに照れ隠しするように、早口でそう伝え。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そ、そうですね……!」
何度も首を縦に振る。
繋がれた証のように結ばれた手をぼんやりと目に収めながら。
[メイン] 井ノ上たきな : 赤くなってしまわないように──あるいは、赤くなってしまうのを見られないように──前を向いたまま、そっと優しく手を引く。
[メイン] 井ノ上たきな : そのまま……【イルカ】が見えた方へ。
[メイン]
イルカ :
この場所の周囲を泳ぎ回り、海面に近づいたり深くまで潜ったりを繰り返している。
常に何頭かの群で行動している様子。
[メイン]
イルカ :
「キュー」
探索者が近寄ると遠くのほうに泳いで逃げる。
[メイン]
井ノ上たきな :
なるほど……絵にあったように、青い宝石が必要ですか。
……しかし、最初の部屋のアレ……ウィスパーレインさんはともかく、武器のないわたしにも簡単に取れそうもありませんでしたし。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「人見知りな子みたいですね……」
イルカに向けて利き手を振ろうとして塞がれていることに気づいて、もう片方の手を振る。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ですね」
先程蟹とたわむれていた様子を思い出す。……動物に慣れているのでしょうか?
[メイン]
ウィスパーレイン :
海は故郷。
その深淵は果てしなく恐ろしくもあるけど……そこに棲むものたちには、やっぱり親しみがある。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……地図によると……他にも、見て回れそうなところがありますね」
[メイン]
井ノ上たきな :
「ええ」
彼女の様子を考えると、迂闊に危険な箇所に立ち寄ることは避けたいですが…
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……大丈夫です」
彼女の様子に何となく考えていることを察して、手を握る力を強くする。
[メイン] ウィスパーレイン : 「自衛くらいはできますし……困ったら、その…………た、頼らせ て…もら います、から」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……!」
[メイン] ウィスパーレイン : あんまり言い慣れていないことなので恥ずかしいくらいどもりつつ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……わかりました。……ええと」
[メイン]
井ノ上たきな :
「その時になれば、わたしが全力で守ります。」
「……その代わりというわけではありませんが……わたしからも、頼りにしてますね」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……はい!」
[メイン] 井ノ上たきな : 社交辞令的な意味合いもなくはなかったが……口に出すと、こちらも少し気恥ずかしいのがうつったように照れくさくなる。
[メイン] 井ノ上たきな : ……それに、自分のことを頼りにしてもらえることが……嬉しくって。
[メイン] 井ノ上たきな : 少し早足で、すぐ上の空間に移る。
[メイン]
GM :
壁際に大きな【サンゴ】が生えており、まるで一本の木が生えているかのようだ。
枝分かれしたサンゴの隙間から、届いてくる光が差し込み、木漏れ日のようにも見える。
その他ところどころにもイソギンチャクやサンゴなどが見られ、公園のような空間を彩っている。
[メイン]
井ノ上たきな :
「珊瑚ですね。こういった珊瑚やイソギンチャクを住処にしている魚もいると聞きますが……」
自分が前に出つつ、ウィスパーレインを連れて近くでその【サンゴ】を観察する。
[メイン]
GM :
色とりどりの様々なサンゴなどがあり、ほとんど青一色のこの空間に彩りを添えている。
暖色系が殆どで、光を受けて仄かに発光しているようにすら見えることからも、高級感の漂う空間となっている。
<目星>を振れますね
[メイン] 井ノ上たきな : ……こんなに近くで観察するのは初めてですね。ウィスパーレインさんが先ほどから目を奪われたようにするのも頷けます。
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 27 > 成功
[メイン] GM : ひとつのサンゴの枝にメッセージボトルが引っ掛かっている。
[メイン] GM : また、部屋の中を歩き回っているヤドカリの一匹が、星の模様が刻まれた宿を背負っていることに気付く。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……うん?」
ウィスパーレインに向き直り、それらの方を指す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「これは…最初の区画でも見ました。星の模様の付いた生物……」
きょろきょろと辺りを見ていたが、示されるままにそれらを見て。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「それと、メッセージボトル……ロマンチックですね」
陸に辿り着くことなく、永遠に水底を揺蕩っていたメッセージ……。
何の縁あってか、その水底で人の手に届くとは。
[メイン]
ウィスパーレイン :
サンゴに手を伸ばしてボトルを取り。
中身を検める。
[メイン] GM : 小瓶の中に、小さなヒトデのようなものが幾つかと、丸められた紙が入っている。
[メイン] GM : ヒトデは本物ではなく、飾り用の作り物のようで、全部で5つあり全て種類がちがっている。
[メイン] ウィスパーレイン : ぱらぱら、とヒトデを手に乗せて見てみる。
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 放浪医師 (1D100<=75) > 75 > 成功
[メイン]
GM :
左上から順に
1:黒く、赤い斑点をもつ5腕のヒトデ。
2:赤く、長い腕を何本も持つ、他よりも大きなヒトデ。
3:中央から腕の先まで、綺麗に並んだ大きく黒い突起をもつ5腕のヒトデ。
4:白っぽく、丸くて多碗。全身がトゲで覆われている大きなヒトデ。
5:腕の中央に黒い線が入っている、5腕のヒトデ。
[メイン]
GM :
ウィスパーレインはそれぞれ
1:イトマキヒトデ。ひっくり返しても自力で戻る。
2:ヒマワリヒトデ。太平洋で一番大きい。無毒。
3:コブヒトデ。小魚や貝などを食べる。
4:オニヒトデ。サンゴを食べる。有毒。
5:スナヒトデ。もろくてすぐに千切れる。
だとわかる
[メイン]
ウィスパーレイン :
「──の、ようですね……精巧にできています……」
そう彼女に語って。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……あの、手紙を見ることをお願いしていいでしょうか……?」
ヒトデのせいで両手が塞がってしまった。
……繋がった手の方は、あまり離したくない。
[メイン]
井ノ上たきな :
「へぇ……すごいっ、詳しいんですね」
風流を解するあたり、そのあたりの造詣は深いのかもしれません……わたしは、これまで仕事一筋でしたし。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あっ、はい」
[メイン]
GM :
「海底の家の頑丈な門を開ける為に、色彩豊かな海の星を使用する。
腹を空かせたホラガイに、正しいヒトデを与えよ。
そのヒトデは大型で多碗。からだには目立つものが生えている。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「──だそうです」
先ほどしてもらったように伝え返す。……幸いなことに、手紙はびしょびしょにならずに済んだようです。
[メイン] GM : 水中なのに紙などが濡れて駄目になることがないことに気がつく。SANc(0/1)
[メイン] 井ノ上たきな : ……なんで?
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=54 SANc (1D100<=54) > 49 > 成功
[メイン] 井ノ上たきな : ううん、まあ……そんなこと、いまさら不思議がっても遅いか。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ふむ……ありがとうございます」
頷きながら聞いて。
[メイン] ウィスパーレイン : 「大型で多腕。ヒマワリヒトデが当てはまりますね……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「そっちの赤いのですね。……そういえば、地図に貝のマークがありましたっけ」
手紙をしまいつつ
[メイン] 井ノ上たきな : 「見回るついでに、先にそちらへ進んでみましょうか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ん、そうですね。確か……」
右の方を見る。地図では貝のマークがある方は、まだ進んでいないこちら側だったのでちょうどいい。
[メイン]
ウィスパーレイン :
場所の構造を思い返しながら中央の方に進む。
……ぎこちなく手を引いて。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ん」
そのまま付いていく。……引かれる側になるのは初めてで、つい……少し緊張してしまいました。
[メイン]
GM :
移動時にいびつな笛の音のようなものが探索者の鼓膜と周囲の水を震わせた。
遙か上を泳ぐクジラたちが一声鳴いたのだ。
[メイン]
GM :
そのまま歩を進めると、そこは砂やイソギンチャク、貝などで少し散らかっている部屋。
三方の部屋の様子がよく見える。
[メイン] GM : <目星>を振れますね
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 目星 (1D100<=75) > 35 > 成功
[メイン]
GM :
砂の中に埋もれているもののひとつに目が留まる。
よく見るとそれは平べったい魚であった。
[メイン] GM : その身体には、星形の模様が浮かんでいるように見える。
[メイン]
ウィスパーレイン :
鯨は全生物の中でも最大級の種で……
それを見上げる、という経験なんてそうそうできない。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「はあ……」
感嘆の息を漏らしつつ、思わず上に目を向けそうになって──
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……?なんだか、変じゃありませんか……あそこ」
砂地の一点を指さして、井ノ上さんに尋ねる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……うん?」
そちらに向き直り、指された方を注視する。
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 67 > 成功
[メイン] 平べったい魚 :
[メイン] 井ノ上たきな : 「あ……本当ですね、あんなところにヒラメが……いや、カレイ……?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「これは……」
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 ヒラメとカレイって名前わける必要あるのかな… (1D100<=75) > 60 > 成功
[メイン] 平べったい魚 : ヒラメであることがわかる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ヒラメですね」
左に目があればヒラメ。右にあればカレイ。
これはヒラメ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「おお……!」
[メイン] ウィスパーレイン : ……これにも星の模様が付いています。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……さすがですね。一体どちらで学んだのですか?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「私の故郷は、海に近しい国でしたから……そこでの記憶が根付いているのかもしれません。……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……井ノ上さんは、お料理はされないのですか?」
ヒラメとカレイ、二つの違いは……生物としての魚には詳しくなくとも、料理をするなら知っている人が多いと思う。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ううん……仕事柄、やることは多いですが……魚料理はそこまで……?」
[メイン]
井ノ上たきな :
……ちょっとばつの悪い気持ちになる。
「……ええと、貝のマークがあったのは……こちらでしたよね!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ……はい」
仕事柄。さっきは話せないと言っていたけど……何なのだろう。
自然と腕を差し出して引かれやすいようにしつつ。
[メイン] 井ノ上たきな : それを引きながら、右中段の空間へと向かう。
[メイン]
GM :
足元に大きな【貝】が転がっている。
先に進む道のうち片方には、部屋の境界線となる場所から幾つもの長い【海藻】が伸びている。
一部が残っている【壁】にはまた何かの絵が描かれている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「貝。ありましたね……」
足元に転がる、【貝】に目をやって。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……みたいですね」
そちらに注意しつつ、【壁】の方を担当する
[メイン]
GM :
よく見ると中身がいる。
大きな貝で、この場から動く気配はない。
[メイン]
GM :
壁にはここにいる貝がトゲだらけのヒトデを捕食している絵と、
その隣には立ち並ぶ海藻達の中央に道のあいた絵が描かれている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……動く様子はありません。まるで、門番のようですね……」
貝の前に屈んで。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……なるほど。そのために、正しい餌で釣る必要があると」
[メイン]
ウィスパーレイン :
頷きつつ。
門番、という言葉を吐きながらまさに門である【海藻】に目をやる。
[メイン]
GM :
道をふさぐようにして生えている、背の高い海藻。
掻き分けようとしてもまるで鉄のように硬く、ここを通るためには何か別の方法を探す必要がありそうである。
[メイン] ウィスパーレイン : 「”腐った海藻ほどよく絡む”……と、故郷の言葉にありますが……こんな立派な海藻だと、腐っていなくても通れなさそうです」
[メイン] 井ノ上たきな : ……初耳です。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……では、早速こちらの貝にヒトデを……」
貝に触れようとして、手を止める。……何か引っかかる気がする。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……? どうなさいました?」
ぴたりと止まった手に目を向けて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……すみません、ウィスパーレインさん。……もし疲れていなければ、先に少しだけ付き合ってもらえるでしょうか!」
[メイン] 井ノ上たきな : そう言うやいなや、右下の部屋に向かってその手を……腫れない程度に引っ張る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「わ……!」
されるがままに手を引かれる。
突然の行動に驚きはあった。でも……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
彼女は合理的という言葉を標榜しているらしい。
常に危なっかしいくらいの勇断を繰り返してきた。それが、ここで回り道するというのなら……とても大きな気付きがあったのかもしれない。
……信じてみよう。
[メイン]
GM :
次の場所へ向かう途中、また青い床に影が落ちた。
見上げればそこには、青い空の中、揺らめく水面の下、巨大なマンタがゆったりと泳いでいる。
[メイン]
GM :
そのまま進むと、崖のほうになにかの【台座】があるように見える。
この部屋にはそれくらいしかないようだ。
道の一方には【サンゴ】でできた壁があり、通ることは難しそうである。
[メイン]
GM :
遠くのほうを見上げれば、ゆったりと泳ぐクジラの群が見える。
しばらく眺めていれば、彼らの鳴き声がここまで届いてくるだろう。
探索者の全身に響くような鳴き声は、海全体とともにこの空間を震わせるようだ。
[メイン] GM : <目星>を振れますね
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 29 > 成功
[メイン] GM : 積もった砂の中に、金色に輝く何かを見つける。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……これは」
そのまま砂をかき分ける。……ウィスパーレインさんに、また肌を痛めてもらっては困りますし。
[メイン]
GM :
近づいて触ろうとすれば、直ぐ隣から鋏が飛び出した。
<DEX*5>で回避できます
[メイン] 井ノ上たきな : 「っ!!?」
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=12*5 DEX*5 (1D100<=60) > 59 > 成功
[メイン] ウィスパーレイン : 「井ノ上さん……っ!?」
[メイン]
井ノ上たきな :
「っとぉ……!」
すんでのところで手を引っ込めてかわす。
[メイン] GM : 鋏の主はそのまま砂の中から這い出ると、部屋の中を歩き回り始める。
[メイン] エビ : 少し大きなエビだろうか。甲殻に、星形の模様があるように見える…。
[メイン]
GM :
金色のものは、引っ張り出すと金貨の一種であるように思える。
しかし状態が悪いのか、何が描かれていたのかはよくわからない。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「よ、よかった……」
ギリギリのところで避けた。
すごい反射神経だった……やっぱり、戦いに関わる人なのだろうか。
[メイン]
井ノ上たきな :
「う……すみません、そちらにまで衝撃を……」
金貨を引き上げ、ウィスパーレインに見せてからしまう。……何かに使えるかもしれないという意味であって、決してこれが欲しいというわけではありません。
[メイン] 井ノ上たきな : 「先程のエビにも、星形の模様がありましたね……と、それより。」
[メイン] 井ノ上たきな : わたしが気になっていたのはこちらです……と、【台座】と【サンゴ】の方を示す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
はい、と頷いて自分も目を移す。
……危ない目にあった自分の方を心配してほしかったけれど。
[メイン]
GM :
上部がおわんのような形をしている台座。
金の豪華な装飾が施されている。
中には何も入っていない。
[メイン]
GM :
道をふさぐようにして生えている背の高いサンゴ。
触ってみると硬く、どかしたり壊したりすることはできなさそうだ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……この台座のことは知りませんでしたが、確かこちらに珊瑚の壁が描かれていたことを思い出して。……確か、珊瑚を食べるヒトデもいるんでしたよね?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「オニヒトデ……ですね」
頷いて、ヒトデを懐から出す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ですが、この子たちは作り物ですよ……?」
訝し気な目で手の上に乗ったヒトデたちを眺め。
[メイン]
井ノ上たきな :
……。
……なるほど……一つ目の目論見は外れましたが、十分です。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……つまり、そちらの子……が、オニヒトデですね?」
ウィスパーレインが最初に言及したヒトデを指す。……これは、確認のためでもありました。
[メイン] 井ノ上たきな : 「白っぽくて、丸くて、腕が多くて、全身がトゲで覆われている…大きめのその子が」
[メイン] ウィスパーレイン : 頷いて。
[メイン] ウィスパーレイン : 「白っぽくて、丸くて、腕が多くて、全身がトゲで覆われている…大きめのこの子です」
[メイン] 井ノ上たきな : 頷く。
[メイン] 井ノ上たきな : 「腹を空かせたホラガイに与えるのは……"大型で多腕、からだには目立つものが生えている"ヒトデでしたね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ええ。ですから……あっ」
ヒマワリヒトデを…と言おうとして、はっとしたように口を押さえる。
[メイン] 井ノ上たきな : ……ふぅ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
ヒマワリヒトデとオニヒトデを見比べる。
思えば……ヒマワリヒトデには、腕しか……生えてない……(太い腕が目立つといえばそう)!
[メイン]
井ノ上たきな :
「もしそうなら……先にこちらの珊瑚の柵を壊す必要があると踏んで、様子を見に来たのですが……そちらについては心配の必要はありませんでしたか」
動き出す様子のないヒトデを一瞥して
[メイン]
ウィスパーレイン :
「なる、ほど……」
すごい記憶力と冷静な判断……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「私では、考えも及びませんでした……素晴らしい思慮ですね……」
感嘆の息を吐いて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……いえ、そんな。最初にウィスパーレインさんが、そちらの子たちのことを詳しく教えてくれたおかげですよ」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ど、どういたしまして……」
褒め返された。
[メイン] 井ノ上たきな : ふふっ、と少し可笑しくなる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ここは開かないようですが……今度こそ戻って、オニヒトデを与えてみましょうか」
[メイン] 井ノ上たきな : ……念の為、台座の碗の上に先ほど拾った金貨を置いたり、オニヒトデを置いてもらったりを試してみつつ。
[メイン] GM : すると…!
[メイン] GM : 何も起きませんね
[メイン] 井ノ上たきな : !?
[メイン] 井ノ上たきな : 🌈
[メイン] ウィスパーレイン : 🌈
[メイン]
ウィスパーレイン :
何かが起きる予感に息を吞んで色々試しましたが、何も起きませんでした。
息の呑み損をしてから貝のある部屋に戻りました。
[メイン] GM : 戻りました
[メイン] 井ノ上たきな : では…今度こそ貝の中にオニヒトデの模型を入れてみましょう!
[メイン] GM : すると…!
[メイン] GM : 海藻がひとりでに動き、道を開ける。
[メイン] 井ノ上たきな : !
[メイン] ウィスパーレイン : !
[メイン] ウィスパーレイン : 何かが起きる予感に息を吞んで井ノ上さんが試すのを見守っていた。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……!」
開く海藻の道。今度こそ息の呑み損にはならなかった。
[メイン]
井ノ上たきな :
ふぅ……と胸を撫で下ろす。
今度こそ成功……ということでいいでしょう。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……良し。行きましょうか」
[メイン] ウィスパーレイン : 「はい……!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
歩みを揃えて海藻の門を潜る。
地図を思い返した。この先にあったのは──
[メイン]
GM :
部屋の中央には大きな【金色の壷】があり、その四方の地面にはそれぞれ正方形の穴が空いている。
その穴にはさらさらとした輝く水色の水が溜まっている……かと思えたが、どうやら【砂】の一種のようだ。
[メイン]
GM :
更に奥に、巨大なイカが鎮座しており、四角い建物に長い触腕を巻き付けている。
通常では有り得ない大きさで、ダイオウイカの中でも特別大きい個体だったとしても、これほどまでの大きさになるのかどうかはわからない。
こちらに危害を加えてくる様子はないようだが、動きなどを見ている限り、作り物のようには思えない。SANc(0/1d3)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=59 (1D100<=59) > 13 > 成功
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=54 SANc (1D100<=54) > 46 > 成功
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……っ!」
覚悟はしていたけど、予想以上の大きさ……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
あちらの巨大なイカもさることながら、こちらの空間は他にも増してよくわかりませんね…
[メイン] 井ノ上たきな : その様子を見て、とりあえず庇うように少し前に出ます。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「あ……」
心配させてしまったみたいだった。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……お気になさらず。適材適所という言葉もありますから」
「あちらの巨大生物にはわたしが目を光らせておくので……その間、この部屋の調査をお願いできるでしょうか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ごめんなさい。私は大丈夫です……」
……申し訳ない以上に安心できる気持ちがあるのは奥にしまいつつ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……お任せ、します」
小さく頭を下げる。守られるのは心苦しくとも、あの巨大な生物がもしもの時には危ないのは事実でもある。
[メイン] ウィスパーレイン : 手早く辺りを調べようと、【金色の壺】から目を向ける。
[メイン] GM : 黄金色の大きな壷。漫画などで見る「お宝」らしい印象を受ける。
[メイン]
GM :
50cmほどの高さで蓋はされておらず、中には何も入っていない。
側面にはなにやらぐるりと文字が書かれているようだ。
[メイン] ウィスパーレイン : 読めますかね…?
[メイン]
GM :
金色の壷に力を与えるのは、星の刻まれた四種の守り子。
正しき守り子を正しき星砂に戻すとき、金壷は本来の輝きを取り戻す。
長い触角を持つ者は北に、
左を向く者は東に、
住まいと生きる者は西に、
大きな鋏と平らな身体を持つ者は南に。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「──南に。」
と、壺に書かれた文章を読み上げる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「星の刻まれた、と言うと……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……なるほど、先程までに見かけた水棲生物群ですか。確かヤドカリ、ヒラメ、カニ、エビ……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
頷いて。
「それを四方の星砂に戻せ、ということのようです」
[メイン] 井ノ上たきな : それに返し、少し考える。
[メイン]
井ノ上たきな :
「左を向く者……はヒラメ。左に目があればヒラメ、と仰っていましたよね」
指を折りながら
[メイン]
井ノ上たきな :
「住まいと生きる者はヤドカリ……でいいでしょう。鋏……はカニもエビも持っていましたが、平らな身体……とあるので、これはカニでいいはずです」
「しかし……触角……?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「エビには触覚があります」
[メイン] 井ノ上たきな : 「!」
[メイン] ウィスパーレイン : 「ヒゲ、と呼ばれたりするので馴染みは薄いですが……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
「……やっぱり、あなたにいてもらえて正解でした。ウィスパーレインさん!」
[メイン] 井ノ上たきな : ぶんぶんと繋がれた腕を小さく振る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そ、そんな……!」
顔を赤らめつつ、振られる腕に合わせて一緒に振る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そっ、それより……」
星砂、四方の穴には確かに水のような【砂】が溜まっている。
これのことだろうか……!とグルグル回る目を巡らせる。
[メイン]
GM :
地面に空いた正方形の穴に、淡く輝いているようにすら見える水色の砂が沢山ある。
ほんの少し、1%にも満たないであろう程度の割合で、白、赤、黄色など他の色も混ざっているようだ。
このような砂場は全部で4箇所あり、どれも一辺が30cm程度の正方形である。
[メイン]
GM :
試しに指を差し込んでみれば、手首まで到達するかしないかといった程度の深さ。
砂場に囲まれた中央の床には金色の壷がのっているが、その床には十字の線が引いてあり、
海藻があったほうとは反対側の方向に三角の印が向いている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「う、美しい砂……ですね……!」
話題を……逸らす……。
[メイン] 井ノ上たきな : (……。美しい砂……?)
[メイン]
井ノ上たきな :
砂場を軽く見渡しつつ。
「……あ、これ……方位記号ですね。ほら、地図の上が北ということでいいみたいです」
[メイン] 井ノ上たきな : 十字と三角の印を示す。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「な、なるほど!そうだったのですか……!」
……ポカンとされた気がする。
[メイン] ウィスパーレイン : ひとまず、一度咳払いして。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……星の模様の付いた生き物の力を借りればこの壺の力を取り戻せる、とあります。……試してみますか?」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ええ、やってみましょう!」
「生き物たちと触れ合った場所、覚えてますか?」
[メイン] 井ノ上たきな : そのまま星形の跡のついた生き物たちの場所を巡り、ぐるりと一周しようとします!
[メイン] カニ :
[メイン] ヤドカリ :
[メイン] エビ :
[メイン] ヒラメ :
[メイン] GM : 特に何事もなく集まりました
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ふう。何とか集められましたね」
腕の中でヒラメがピチピチと踊り狂っている。
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
何故かわかりませんが、ウィスパーレインさんの元だと海洋生物も絵になりますね…
[メイン] 井ノ上たきな : 手にエビとカニを構えつつ、頭にヤドカリを乗せて。
[メイン]
ウィスパーレイン :
…………。
なんだか…………。…………。つよそう。要塞……?
[メイン]
井ノ上たきな :
「……。行きましょうか」
おとなしいので大丈夫ですが、なんというか……急げるなら急ぎたい気分です。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「はい。」
見つめ合う謎の時間を振り払って。ちょっとだけこの最強フォームみたいな井ノ上さんが元に戻るのは惜しいけれど。
[メイン] ウィスパーレイン : では、砂に配置していきますか……
[メイン]
ウィスパーレイン :
井ノ上さんのおっしゃった通り、
長い触角を持つエビは北に、
左を向くヒラメは東に、
住まいと生きるヤドカリは西に、
大きな鋏と平らな身体を持つカニは南に配置しますよ
[メイン]
GM :
砂に模様のある生物を置いてやれば、その砂の中に沈んでいき、
半分程身体が出るような状態になったところで、生物についている星の模様と砂が呼応するように輝きはじめる。
[メイン] GM : 全て置き終わると、砂の輝きは中央にある十字の溝を通り、その上にある壷も輝きだす。
[メイン] GM : そうしてしばらくすると、何も入っていなかったはずの壷から、無数の光の粒が溢れ出し、さらさらと地面に落ちては浮かび上がり、ふわりふわりと広がっていく。
[メイン] GM : やがて光の粒はひとまとめになって流されるように動きだし、まるで龍のような形を成しながら海のほうへと飛んでゆく。
[メイン] イカ : 建物に巻きついていたイカが、それに誘われるように触腕を解くと、そのまま海へ泳ぎだしていった。
[メイン] GM : 幻想的ではありながら、通常では有り得ない光景を目撃したことによるSANc(0/1)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=59 (1D100<=59) > 55 > 成功
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=54 SANc (1D100<=54) > 34 > 成功
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………」
海の彼方へと泳いでいく二匹の巨大なものたちを、呆然と見送る。
こ、こんなことになるなんて……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……入れるようになったみたいですね」
警戒を解く。……また声を掛けようとしましたが、心配が過ぎても逆にプレッシャーでしょうし。
[メイン] ウィスパーレイン : 「ええ……向かってみましょうか」
[メイン] 井ノ上たきな : 「はい。一緒に」
[メイン] ウィスパーレイン : 小さな笑みを浮かべて、海洋生物を捕まえるときに離していた手を差し出しなおす。
[メイン] 井ノ上たきな : くすり、と口角を上げてそれに応える。…それが自然な状態であるように。
[メイン]
ウィスパーレイン :
……な、流れるように差し出しちゃった。
でも、もう引っ込められない。手は取られている。
[メイン] ウィスパーレイン : そして、緊張の解けた手つきで手を引きつつ白い建物へ向かう。
[メイン] GM : 砂の中の生物はそれぞれその場から出て、周囲を泳ぐ魚たちの中に加わっていく。
[メイン]
GM :
それを見送ると、遠くの水流に乗って、ふわふわと流される塊たちが見える。
あれはクラゲだろうか。薄い膜越しに届く日の光は、今までよりも少しだけ輝かしく思え、
通り過ぎていくクラゲたちが宝石のように見えた。
[メイン]
GM :
白い壁の四角い建物。
奥に【窓】が見えるほか、壁際には【本棚】や【宝箱】のように見えるものがある。
長い間ずっとここにあるのか、一部は砂を被っており、サンゴなども生えている。
その合間に小魚がいるほか、壁にはウミウシも這っている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ここも海に浸食されていますね」
どこか慈しみ籠った目で窓越しのクラゲを見上げて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ですね。出口……というわけでもなさそうです」
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
【本棚】……やっぱり、こちらの本も湿っていないようですね。
[メイン]
GM :
魚に関する本が沢山入っている。
濡れたり湿気ったりしているわけではないようで、文字も読むことができる。
[メイン]
井ノ上たきな :
……こちらの本……いくつか、知識の補強に役立ちそうですね。
使えそうなものを少し手元に残しておきます。
[メイン] ウィスパーレイン : それを横目に、【窓】を眺める。
[メイン]
GM :
何故か割れていないガラス窓。
遠くには真っ青な景色と、泳ぎ回る色とりどりの魚たち、海底や崖に生えた岩場やそこに生息するイソギンチャクなどが見える。
[メイン]
GM :
ここから景色を見ていると、今の状況が水槽とは真逆なのだと思わされた。
向こう側から探索者のことを見る魚たちは、ケースの中に人間でも飼っている気分なのだろうか。
[メイン]
GM :
そんなことを考えているあいだに、景色がなにか白いもので覆われる。
どうしたのかと思ったとき、目の前には金色の瞳が現れ、建物の中をじっと見つめたかと思うと、触腕を揺らめかせながらその場を離れていった。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……!?」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……! どうしました?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ま……窓に!窓に!」
指を向けた──時にはもう、それはその場を離れていっていた。
[メイン]
井ノ上たきな :
「うん…?」
……目を擦りながら窓の外を眺めるも、先程のクラゲが何匹か見える程度。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………い、いえ。大きな魚が通っただけです……」
少し過敏だったかもしれない。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……大きな瞳に覗かれるのは、こんなに恐ろしいことだったのですね。水槽の中の魚の気持ちはこんなものだったのでしょうか……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
水棲生物を可愛がっていたウィスパーレインさんだからこそ……そう感じるものも、少なからずあるのでしょう。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……安心してください。二人でいれば、必ず出口までたどり着けますから」
[メイン] ウィスパーレイン : 「は、はい。取り乱して申し訳ありません……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
心配させるようなことばかりしてしまっている。
井ノ上さんの優しさに甘えている。よくないな……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「いえ。……とにかく、少し急ぎましょうか」
いくらこのおかしな環境に慣れてきたとはいえ…ずっとここにいれば、必ず変調を来してしまうでしょう。
……特に、ウィスパーレインさんは必要以上に責任を感じてしまう方のようですし。
[メイン]
井ノ上たきな :
そうして、まだ目をつけていなかった【宝箱】の方を見る。
……もしかしたら、罠の可能性もありますが…
[メイン]
GM :
ゲームなどでよく見る宝箱そのもの。
鍵穴の部分には、なにか星のような、フラッシュやウニのようにも見える形の穴が空いている。
また、箱自体にもなにやら太陽のような模様が描かれている。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……?」
ダメ元でとりあえずこのまま開くかどうか試してみましょう
[メイン] GM : 鍵がかかっていて開きませんね
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
この大きさを持ち運ぶのは大変そうですし……
[メイン] 井ノ上たきな : 「だめですね……この宝箱、ウニのような星形のギザギザした鍵穴があって開きません。……ここは一度、他の部屋を調べて──」
[メイン] ウィスパーレイン : 「──少し試してもよろしいでしょうか?」
[メイン] 井ノ上たきな : 「!」
[メイン] ウィスパーレイン : 屈んで、先ほど使わなかったヒマワリヒトデの作り物を鍵穴に使ってみる。
[メイン]
GM :
ヒマワリヒトデの模型をはめ込むと、宝箱がひとりでに開き、中からは無数のイカが飛び出てくる。
イカたちは互いに長い触手をうねらせて部屋の中を泳ぎ回り、協力して青い空間に白い模様を描くようにしながら部屋を飛び出していく。
[メイン]
GM :
箱の中を見れば、イカが出ていったあとには何種類かの貝やヒトデが取り残されており、
はめ込んだ模型と同じ種類のヒトデが、幾つかのしっかりとした手袋を持っている。
[メイン] ウィスパーレイン : 生まれた海流に、ぶわりと前髪を浮かせながら。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……上手くいきました。よかったです」
彼女を見上げる。
[メイン] 井ノ上たきな : ……逆の立場になったかのように、呆然とウィスパーレインを見つめる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………! そっか、なるほど……!よく気付きましたね」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……お役に立てたなら……嬉しいです」
[メイン]
ウィスパーレイン :
突飛な考えという自覚はあったが、正しかったらしい。
……何の説明もしていない行動の理由に、すぐに思い至る井ノ上さんの思考の速さには驚かされた。
[メイン]
ウィスパーレイン :
星と太陽はちぐはぐな組み合わせのようだが、一つだけ当てはまるものがある。
海の星にして、太陽の花に見立てられるヒマワリヒトデ。
少しロマンチック。
[メイン] ウィスパーレイン : ……考えつく井ノ上さんも意外と……?
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………?」
その視線……なんなのでしょう。
[メイン]
井ノ上たきな :
「………………でも、役に立てて……というのは、少し違うかもしれません」
言葉を受け、少し考えて。
[メイン] ウィスパーレイン : 「それは……どういう?」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……わたしたち、対等な関係なんですから。お互いがお互い、協力して、助け合って」
「だから……役に立とうとか、頼りすぎないように……なんて、考えすぎなくていいんだと思います。……もっとこう、自然な関係というか……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……とにかく、もっと楽にしてください。えっと……わたしはウィスパーレインさんにたくさん助けてもらって、一緒にいてもらえて、嬉しいですよ」
[メイン] 井ノ上たきな : 珍しくうまく言葉をまとめられないまま、濁して俯く。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……本当に、お優しいですね」
[メイン] ウィスパーレイン : 「ずっと続けてきた生き方ですから……すぐに変えるのは難しいかもしれません」
[メイン] 井ノ上たきな : 視線をゆっくりと上げる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ただ、私は……その。私と関わる人が、私のせいで不幸にならなければいいと……」
例えば、今俯かせてしてしまっていたように。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「でも、このやり方がかえって井ノ上さんを傷つけたり、負担になるようなら……」
「ゆっくりでも、変わっていければ……と思います」
[メイン] 井ノ上たきな : …………
[メイン] 井ノ上たきな : とん、と額を軽く……本当に軽く、指で小突いてみせる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「あうっ!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ふふっ」
[メイン] ウィスパーレイン : な、何を……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……はぁ。優しいのはどっちですか……」
「でも、それがあってこそのウィスパーレインさんなのかもしれないですね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
ど、どういう意味だろう……。
額を抑えつつ頭に疑問符を浮かべてる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「ちょっと考えすぎてたみたいです。……まぁ、変えたくなったら……わたしからあなたを変えてあげますよ」
[メイン] 井ノ上たきな : 「わたし……優しいように見えて、結構悪ですから。」
[メイン] ウィスパーレイン : 「…………そ、それは──その」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……ずっと傍にいてくれるということでしょうか?」
変えたくなったら変えてくれる……とは。ひ、飛躍!?
[メイン] 井ノ上たきな : 「……へっ?……えっと……あー……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……そういうことに、なる……ん……でしょうか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……だっ、大事なことなのです……が……!」
手に力を込める。
[メイン] 井ノ上たきな : えっ。
[メイン] 井ノ上たきな : えっ?
[メイン] ウィスパーレイン : 「……我儘を言えば、今すぐ返事を頂きたいです」
[メイン] ウィスパーレイン : 物言いたげな目で凝視する。
[メイン] 井ノ上たきな : 「〜〜〜…………」
[メイン] 井ノ上たきな : 考え、考えあぐねたのち──動く。
[メイン] 井ノ上たきな : 訓練で鍛えた体で……素早く、ウィスパーレインを抱き抱え。
[メイン] ウィスパーレイン : 「きゃっ……!?」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……返事が欲しいなら……そうですね。」
「その前に、もっと近くでよく見せてください──あなたのことを。」
[メイン] 井ノ上たきな : 密着した体勢のまま、開いた宝箱の中を浚って……次の部屋へ向かう。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ずっ、ズルい……ですよ……!それは……!」
抵抗できないほど弱い体が今一番憎い。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「~~~~~~!!」
連行された。
[メイン] オニヒトデ : 手袋を回収してから貝がいた部屋に戻ってくると、貝がいた場所には与えたはずの模型のヒトデが、本物となってそこにいる。
[メイン] 井ノ上たきな : …………ふぅ……
[メイン]
井ノ上たきな :
流石に体力も限界なので、一度ウィスパーレインを下ろす。
……海水で少しは頭を冷やしましょうか……
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ううぅぅぅ…………」
酔ってゲロッキーになってた。
[メイン]
井ノ上たきな :
「………………。」
流石に悪いことしましたね…
[メイン]
井ノ上たきな :
……ん?
「……あの。さっきのヒトデの模型、動いてません?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「動いて……? ……この子……本物みたいです……」
気を取り直す。一旦。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……!」
[メイン] 井ノ上たきな : すぅ、はぁ……と、もう一度呼吸を落ち着け。
[メイン] 井ノ上たきな : 「これなら、さっきのサンゴの柵も…!」
[メイン] ウィスパーレイン : 「あ……!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
模型ではサンゴは食べられないと言ったのは自分だ。
……ここに、本物がいる。
[メイン]
井ノ上たきな :
頷く。
「……そうと決まれば!」
[メイン]
井ノ上たきな :
手袋の上からオニサンゴを掴む。
……う……流石にちょっと気持ち悪い……!
[メイン] ウィスパーレイン : そこに横から伸びる手。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「毒がありますから……一人だと、万一の時に危ないです……」
手袋を付けた手で、支えるようにオニヒトデを掴む。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……確かに、思い至りませんでした。」
ありがとう……と言うのも、同じ立場からはおかしい気もして。
[メイン]
井ノ上たきな :
ただ、にこりと感謝を込めた笑顔を送って。
「では、行きましょうか。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「はい…………。……た、たきなさん」
……このくらいは……許してもらっても、いい……と、思う。
[メイン]
井ノ上たきな :
その言葉に一瞬、ハッとした顔になるも……すぐに、いっそうの笑顔に戻して。
「……いい返事です、レインさん。」
[メイン] 井ノ上たきな : そのまま、二人ヒトデを抱えて右下の部屋へと向かう。
[メイン] GM : 着きました
[メイン] 井ノ上たきな : サンゴの方へオニヒトデを放ちます!
[メイン] GM : オニヒトデを使うと、サンゴからごとごとと音が鳴り、その場から逃げるようにして床の中に沈んでいった。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「えっ……」
……動くの?
[メイン]
井ノ上たきな :
「はぁ…」
なんというか…まぁ、このくらいのことにはもう慣れてしまいましたが…
[メイン] 井ノ上たきな : 気を取り直して先に進みますね!
[メイン]
GM :
先に進む際に、探索者の横を、色とりどりの小魚の群が通り抜けていく。
顔の側を通り抜けていくとき、水音と水流が探索者の耳や頬に届いた。
[メイン]
GM :
歩を進めると、最初に出てきた建物の周りをゆっくりと周回する大きな【マンタ】がよく見える場所に着く。
時折マンタによって海面上からの光が遮られ、この場所や周辺に影を落としている。
[メイン]
GM :
遠くのほうにはなにか柱のようなものが見えるが、青いもやに白い光が差していてよくは見えない。
もとは向こうにも建物が続いていたのだろうか。
[メイン]
GM :
さらにずっと先に、巨大な魚影が見えるような気がする。
その少し手前を泳ぎ去って行く魚たちの群。
ファンタジー映画やゲームで見るような光景を前に、自分は今海の中にいるのだと、より実感する。
[メイン]
GM :
壁はなく、向こうにいくにつれ気持ち上り坂になっている。
先端部分には、なにか細い【台座】のようにも見えるものが建っているようだ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……こちらの行く先も、残念ながら崖のようですね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ですが……何か見えますね……」
頷きつつ、【台座】の方まで歩み寄る。
[メイン]
GM :
上面は平らで、金色の格子を隔ててその中に青く輝く何かが納められている。
その隣には
「サイガイコウスウ ツイ カイトウ テヲカザセ」
と書かれているほか、10個の丸い穴が空いている。
[メイン]
GM :
それを確認したあたりで、探索者の上から翠色の透きとおったビー玉のようなものが10個落ちてくる。
見上げれば、そこにはマンタがいた。
翠色の球は台座の穴にぴったりとはまりそうだ。
[メイン] GM : <目星>を振れますね
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 82 > 失敗
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 (1D100<=75) > 32 > 成功
[メイン] GM : 金色の格子がかかっている場所を取り囲むように、小さな穴が空いている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「穴が……見えますね……」
格子を囲む穴を示す。
[メイン]
井ノ上たきな :
頷く。
「そのビー玉なら、穴に入りそうですが……如何せん、どの穴に入れるべきなのか……」
「この横の文言がヒント……なのでしょうか?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「そのように……見えますね……」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……サイガイコウスウ?どういう意味なのでしょうか……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
その意味を同じく考えあぐねるように、上方の【マンタ】の方を見る。
[メイン]
マンタ :
高くを泳いでいる巨大なマンタ。
本物のマンタをこのくらいから見上げればあの大きさに見えるのか、それとも特別大きな個体なのか。
[メイン]
マンタ :
ゆったりと、最初の建物の周りを周回するように泳いでは、この場所に長く影を落としている。
裏側がよく見えており、ところどころに傷がついている。
[メイン] 井ノ上たきな : 何か技能を振ることはできるでしょうか?
[メイン] GM : 特にはなにも
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 放浪医師 (1D100<=75) > 1 > 決定的成功/スペシャル
[メイン]
GM :
「サイガイコウスウ」とは「鰓蓋口数」、つまりえらあなの数のことを示す。
ついでに上を泳いでるマンタのえらのあなの数は、左右に5個ずつで計10個だとわかる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……あ」
手を打って。
[メイン] ウィスパーレイン : 「サイ……ガイ……鰓蓋。鰓の蓋、口の数と書いてサイガイコウスウ……です」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……!?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……しかし。エラのついた生き物なんて、辺り一面に泳いでいます……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。あれじゃないでしょうか、レインさん。」
[メイン]
井ノ上たきな :
頭上を周遊するマンタ……いや、エイの可能性もありますが……を指さす。
……パクパクと身体の表面の切れ目が開いたり閉じたりしていることがわかります。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……!たし、かに……玉に台座の穴と、同じ数です……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「はい。ちょうど、左右に5つずつ……ここの半分と同じ計算です」
迂闊にも、手でちょうど左右半分になるように格子の上に手をかざす。
[メイン] GM : 台座に手をかざすと、金の格子の周辺から、また別の金色をした針が現れ、たきなの手のひらに突き刺さる。
[メイン] GM : 針は一瞬だけ飛び出して手のひらを少し傷つけると、すぐにまた元通りになる。HP-1
[メイン] GM : 少量の血液はその場に血煙のようにして留まり、ゆっくりと広がりながら沈んでいく。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……っ!?」
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] HP : 10 → 9
[メイン] ウィスパーレイン : 「な……っ!」
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
……大丈夫……これくらい、どうってことない。
[メイン] ウィスパーレイン : 「ち、血が……出てますよ……!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………」
[メイン]
井ノ上たきな :
……少し考えて、今度は"パー"の形をかざす。
エラは左右で合計10個……左右で一対とすると、合計5対だ。
[メイン] GM : また針が飛び出ます。HP-1
[メイン] 井ノ上たきな : 「っ…………」
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] HP : 9 → 8
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……っ。あの……!」
強引に手を取って。
[メイン] 井ノ上たきな : 「!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
医療キットは……手元にない。
衣服を軽く破いて、簡易の包帯にする。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あ。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ちゃんとした包帯も無いので……こんな処置しかできませんが」
血の流れる手に、くるくると布を巻く。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……。」
「……ありがとうございます。……そういえば、お医者さん……でしたね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そうです。医者の言うことは……聞いてください」
患者に恐怖を与えないように、痛みの無いやり方は心得ている。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……すみません。」
少しうなだれる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……痛みはありますか?」
傷を避けるように手を撫でつつ。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……楽にはなりましたが、まだ……少し。でも、これくらいどうってこと──」
[メイン] ウィスパーレイン : 「──私が、痛いですから……!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……っ……!!」
[メイン] ウィスパーレイン : 「対等……なんでしょう……?なら、一人だけ痛みを引き受けるような真似はなさらないでください。傷は治っても、痛みの記憶は……残り続けます……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………でも、あなたの体質は……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……構いません」
ふるふると首を横に振る。
[メイン] 井ノ上たきな : 「──っ……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「苦痛は誰にとっても等しいものだと……私は信じています。
耐えられるかどうかは、ただ慣れて麻痺してしまったか否かでしかありません。
体質、人種、病……どんな理由で差があっても、誰かだけが特別に苦しむのは間違っています……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……例え、たきなさんが特別に痛みに慣れているとしても」
彼女がそういった類の事情を抱えているのは薄々察していた。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……」
[メイン] ウィスパーレイン : 優しく、それでも力強く今も傷が熱を持っているであろう手を握る。
[メイン] 井ノ上たきな : ……あ。
[メイン] 井ノ上たきな : 握られた感触が、どくん、どくん…という脈動の感覚を強める。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……わかりました。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……それでも、あなたの手を……わたしの手を傷から癒してくれるその手を、傷付けるわけにはいきません」
再び格子の前に手をかざす準備をする。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……っ!な、何が分かったって……言うんですか……!」
[メイン]
井ノ上たきな :
「──ですので。」
ビー玉を彼女の手に預け。
[メイン]
井ノ上たきな :
「あなたにも、相応の対価を。」
「──わたしの手、預けさせて……もらえませんか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……!? あ、あっ……!」
ビー玉を……ずっしりと重いそれを受け取ってようやく彼女の意図に気付いた。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……卑怯なのはわかってます……でも。」
「…………。きっと解いてもらえる……って、信じてますから。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………!」
本当に……卑怯すぎる。彼女は自分自身を人質に取ったんだ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
この取引は、お互いにまったく得が無い。
どちらにとっても余計に痛みを負うだけ……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
……私に彼女を傷ついてほしくない。彼女にも私を傷ついてほしくない。
それで、どうして……こんなことになるんだろう?
[メイン] ウィスパーレイン : 一つ分かるのは……たきなさんは、これ以上は退いてくれないことだけ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
一人だけが傷を負うか?二人が傷を負うか?
それ、なら……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……分かり、ました」
絞り出すような声で。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……。」
[メイン]
井ノ上たきな :
……このまま続けることはできない……としても、どうして。
わたしを助けてくれる人を……余計に傷つけてしまう選択肢しか、選べないんでしょう。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「全然……っ。”合理的”なんかじゃ……ないのに……」
恨み言を言いながら、わななく手でビー玉を台座に並べていく。
[メイン]
ウィスパーレイン :
5つだけ、台座に並べる。
私には……これしか、思いつかない……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……」
その様子を見届けて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……わたしは。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……もちろん、信じていますが……それでも、たとえ万一があったとしても。」
「あなたの手に包んでもらえるなら……本望ですよ。」
[メイン] 井ノ上たきな : 目を閉じて……ゆっくりと、手を。
[メイン] 井ノ上たきな : かざす。
[メイン] GM : 5個の球を嵌めた状態で台座に手をかざせば、最小限の音を立てて金の格子が開く。そして、中にある青い宝石を取り出すことができるようになる。
[メイン] 井ノ上たきな : ……………………。
[メイン] 井ノ上たきな : ……いくら待とうが、刺すような痛みは……来ない。
[メイン] ウィスパーレイン : 暗闇の中にいる、彼女の手を取る。
[メイン] ウィスパーレイン : 「大丈夫……です。目を開けてください……」
[メイン] 井ノ上たきな : ……
[メイン] 井ノ上たきな : 目を開け、手を握り……どっ、と全身の力が抜ける。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「もう……あんなこと、しないで……させないでくださいね……。本当に……よかった……」
脱力した様子の体を優しく抱き留めて、背中を撫でる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「………………。」
既に痛みの薄れた包帯跡。……に、目を落とす。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………ありがとう……ごっ、ごめんなさい……ごめんなさい……っ!」
[メイン] 井ノ上たきな : 痛みなんて感じないのに。……なぜか、涙がこぼれる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「いいんです。無事だったから……いいんです……」
[メイン] ウィスパーレイン : とんとんと背中を撫でながら、静かに涙を流す。
[メイン]
井ノ上たきな :
その心やり、暖かみに甘えてしまうように。
小さな子どもらしく、ぎゅう……としがみつく。
[メイン]
ウィスパーレイン :
気丈で怜悧な雰囲気を纏っているように見えても……こうしてみればただの、小さな年頃の子供……。
私があれだけ苦しんだことが、彼女にも負担じゃなかったはずがない。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「私からも、ごめんなさい……」
今は、全部の痛みが涙になってくれるまでこうしていよう。
[メイン]
井ノ上たきな :
[メイン] 井ノ上たきな : ──こぽり。珊瑚の陰からちいさな泡がひとつ浮かぶ。
[メイン]
井ノ上たきな :
よもや、海中に溶けてしまいそうに揺れる宝石を携え、わたしたちは次の目的地へと足を進めます……あれからどれくらい経ったのでしょうか。
……お互い会話は交わさないまま、時はぎこちなく流れます。
[メイン]
ウィスパーレイン :
ちらちら、と時々……いや、それはもう頻繁に、視線を向けて様子を窺う──それが限界だった。
口の端から言葉にならずに漏れた空気が、また一つ泡になって弾ける。
[メイン]
ウィスパーレイン :
何か……話すべきだというのは、分かっている。
ただ、どう声を掛ければいいのか分かってなくて……。
[メイン]
井ノ上たきな :
……それに気付いていても、出会った時のように積極的に声を掛けることもできず。
そんな膠着が続いて……やがて、最初に切り出したのは。
[メイン] 井ノ上たきな : わたしたちを覆い尽くさんばかりの影と同時の──海の底の底まで響き渡りそうな、呻り声でした。
[メイン]
GM :
その呻り声と同時に、遠くを泳ぐ魚たちの動きが変わる。
群が散り、忙しなく泳ぎ回り、色鮮やかなその鱗を差し込む日光に煌めかせていた。
またどこかで食物連鎖が行われたのだ。
[メイン] GM : あなた達は地図があった部屋まで戻ってきました。
[メイン] ウィスパーレイン : 呻りを合図にしたかのように。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……その──」
[メイン] 井ノ上たきな : 「──あの……っ」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……! むぐっ……」
被った。何ということでしょう。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……っ……」
……う……折角のタイミングだったのに、これじゃあ逆に……
[メイン] ウィスパーレイン : お……お先にどうぞ、と言わんばかりのジェスチャー。
[メイン] 井ノ上たきな : ……少し困惑するも、やがて頷いて。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……えっと、ここまで色々ありましたが……ここの広さを見るに、そろそろ終わりも近いはずです。もうひと踏ん張り、一緒に頑張りましょう」
[メイン] 井ノ上たきな : ふぅ、と息を吐く。……渦巻く気持ちは枚挙にいとまがありませんでしたが、今はこれが一番慣れたやり方でしたから。
[メイン] ウィスパーレイン : 「そ……う、ですね……。ええ、頑張りましょう」
[メイン]
ウィスパーレイン :
辛うじて言葉を返す。
”そろそろ終わりも近い”……。
[メイン] ウィスパーレイン : 胸に仄暗い痛みの波紋が広がりつつも。
[メイン] ウィスパーレイン : 「青い宝石……ここで使うのでしたよね……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「ええ、そのはず……です」
[メイン] 井ノ上たきな : イルカが青い輝きに引き寄せられている壁画を改めて一瞥し、宝石を差し出したまま崖の方へ近づきます。
[メイン]
イルカ :
たきなが崖に近づくと
「キュー!」
と鳴き声を上げて、宝石を持つたきなの元へ寄ってくる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「ん……よしよし」
[メイン] イルカ : キューキューと鳴き声を上げて嬉しそうにしている。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……。レインさんも、近くでどうですか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……えっと。はい」
おずおずと傍によって、彼女に倣うようにイルカを撫でる。
[メイン] イルカ : 同じように嬉しそうにキューキューと鳴き声を上げる。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ふ、ふふ……」
……気遣われてしまったのだろうか。
今まで、こうして動物と触れあう姿を見られてしまってたから……。
[メイン] 井ノ上たきな : その様子を少し離れたところから眺め、小さく微笑む。
[メイン] イルカ : ウィスパーレインが撫でていると、イルカは突如彼女を背に乗せ、その場から泳ぎ出そうとする。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……へっ」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……えっ」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「わ、はああぁぁ……っ!?」
岸の先に引き上げられた体。
落っこちれば奈落まで真っ逆さま……必死でバランスを取って……。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「っと……たきなさん!」
後ろを振り返る。彼女が……乗ってない!
[メイン]
井ノ上たきな :
「ぐ……ッ!!レインさんっ!!」
夢中で踏み込み、その影に向かって跳躍して……
[メイン] 井ノ上たきな : ギリギリのところで、なんとかウィスパーレインの背中にしがみつく。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「!?」
ずしっ。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……っはぁ……はぁ……っ!?」
「すっ、すみません!!大丈夫ですか……!?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「だ、大丈夫……です……」
捕まりやすいように体勢を整えつつ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ただ、その……。今までから、察して頂いているとは思うのですが……。
あんまり、人肌を感じすぎるのは……得意じゃないというか……!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……そっ、それは……!仕方ない、じゃないですか……!」
[メイン] 井ノ上たきな : アンバランスだった距離感が、一気に縮められる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「そっ!それはそう……なの、ですが……!」
[メイン] ウィスパーレイン : 首筋にまで朱がさしていた。
[メイン] 井ノ上たきな : 「だって、レインさん一人で行かせるわけにはいきませんし…!……っ、その、あんまり縮こまらないでください…!掴みづらい、ので……!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あ、ほら……!見えましたよ、離れの島!」
[メイン] ウィスパーレイン : 「そ、そう言うならあんまり息を荒げないで……!イ、イルカさん……出来れば、急いで……!」
[メイン] イルカ : 乗った人が増えたのを気にすることなく、そのまま泳いでいく。
[メイン]
GM :
イルカに連れてこられた場所は、最初に歩き回れる場所からの道が、崩れてなくなってしまっている部屋。
壁や天井はなく、崖の上に孤立状態。
[メイン]
GM :
荒れて【瓦礫】が転がっている。
中には硝子の破片なども見当たることだろう。
[メイン]
GM :
周囲を泳ぐ鮮やかな小魚の群が、小さな身体を揺らして泳ぐ度に細やかな鱗が煌めく。
幾つかの群が重なり合いながらそれぞれに動く様は、活気づいたネオン街のようでありながら、地上の都会にはない大自然と、心地良い静けさがそこにある。
その静寂を破るようにして、一頭のイルカが水流の音と共に探索者の前を通り過ぎていった。
[メイン] イルカ : 2人をその場に降ろすと、小魚を追うように周囲を回遊し始める。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
「……あちらのイルカさんの、私たちへのお礼……なのでしょうか」
[メイン] 井ノ上たきな : まだ少し朱が残る様子を隠しつつ、綺麗な硝子の混ざった【瓦礫】を拾います。
[メイン]
GM :
ここにある瓦礫は、部屋の壁や天井が崩れたものばかりだろうと推測できる。
そのうちの露出したひとつに、なにやら文字が刻まれているようだ。
[メイン]
井ノ上たきな :
!
そちらを読むことは可能でしょうか?
[メイン] GM : 以下の文章が読み取れます
[メイン]
GM :
ホオジロザメは夢を守っている。
ホオジロザメは血の匂いにおびき寄せられる。
彼を呼ぶならば、金の装飾が施された盃に血を注げ。
警戒することはない。彼に無理を言わないのならば。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「お礼……そうかもしれませんね……。ふふふ」
かわいらしい考え方だと思う。首を振って、顔の余熱を振り払ってから。
[メイン] ウィスパーレイン : 「盃と言いますと……南東の区画にありましたね。しかし、血ですか……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「なるほど、あの台座ですか」
自身の腕にちらり、と目を落とす。レインさんの手当てのおかげで、血はほぼ完全に止まったようですが……もしかしたら、あの時はかなり危うい状況にあったのかもしれません。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「それに……夢」
深く考えたことはなかった。でも、夢……そう考えるのが一番しっくりくる状況だった。
[メイン]
ウィスパーレイン :
思わず、たきなさんの顔をまじまじと見てしまう。
この美しい青色の世界も、気丈さの中に優しさを秘めた彼女も……一睡の中の幻?
[メイン] 井ノ上たきな : ふと視線を戻すと、こちらをまじまじと見つめるウィスパーレインと目が合う。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……な、なんでしょうか。」
[メイン] ウィスパーレイン : 「いえ……綺麗だな、と思いを馳せていました……(この空間のことを)」
[メイン]
井ノ上たきな :
夢……
確かに、目の前の彼女も夢のように神秘的で儚くも、子守唄のように温かい存在……のように感じます……が……
[メイン] 井ノ上たきな : …………
[メイン]
ウィスパーレイン :
…………
ああ、泡が弾けるように全て消えて……忘れてしまうとしたら、物悲しい……
[メイン]
井ノ上たきな :
……まずい。
紅潮を隠そうにも、蛇にでも睨まれたかのように……身体が動きません。
[メイン]
ウィスパーレイン :
なんでたきなさんの顔が赤くなってるんでしょう……?
まさか……さっきの傷から菌でも……!
[メイン] ウィスパーレイン : 慌てて距離を近付け、たきなさんの額に手を当てる。
[メイン] 井ノ上たきな : 「!?!?!?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「顔が……熱いですよ……!」
刺激にならないよう、囁くような声で告げる。
[メイン] 井ノ上たきな : …………さ、さっきから……何を……!?
[メイン] ウィスパーレイン : やはり、消毒も満足に出来ない状況では……!
[メイン]
ウィスパーレイン :
「たきなさん……いけません……。今すぐ、休みませんと……!」
体重を預けやすいように背中に腕を回す──重病患者を相手取る医師としては手慣れた動作だ。人見知りである以上に。
[メイン]
井ノ上たきな :
「ふぇっ……」
……よ、よくわかりませんが……少なくとも、今のままではまずい……!
[メイン] 井ノ上たきな : ウィスパーレインに掴まれた状態のまま……空いた手で先ほどの宝石を掲げ、近くのイルカに示す。
[メイン] 井ノ上たきな : ……このまま戻るしかない……!
[メイン] イルカ : たきなが宝石を掲げると、イルカがキューと鳴き声を上げて寄ってくる。
[メイン] 井ノ上たきな : 良し……!
[メイン] 井ノ上たきな : そのまま尾鰭に手を回し、レインさんを引き連れて元の島へと戻ります!
[メイン] ウィスパーレイン : 顔を近付けて「体調が悪い時は~」「病は早期に~」とか言っていたのでイルカの存在にはその時まで気付かず。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「!?」
「はぁううぅぅ……っ!?」
連行された。
[メイン] GM : この部屋から帰るとき、同じようにしてイルカに乗って進んでいると、正面から勢いよくやって来る魚がいる。
[メイン] カジキ : その魚は探索者の近くを、速度を保ったまま通り抜けていくが、すれ違い様にそれがカジキであると確認することができる。
[メイン] GM : 特に何事もなく、地図があった部屋に戻りました。
[メイン] イルカ : 2人をその場に降ろすと、また崖の方まで泳いでいく。
[メイン]
井ノ上たきな :
……はぁ、はぁ。
「……南東の部屋……でしたよね」
[メイン] 井ノ上たきな : イルカに軽く手を振ってお礼を言いつつ、なんとか何事もなかったかのように振る舞う。
[メイン] 井ノ上たきな : ……海流で顔も冷えた……し、ひとまずは大丈夫でしょう。
[メイン]
ウィスパーレイン :
……ふぅ、ふぅ。
「ええ……夢を守る、この場所のことなら……彼と出会うことで、私たちはようやく脱出の手立てを掴むことができる……かもしれません……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
イルカに軽く頭を下げてお礼を言いつつ。
……思ってたより元気そうだげど、体調不良は気のせいだった……のかな……?
[メイン]
井ノ上たきな :
そのまま、件の台座へと向かおうと最初の部屋を横切ったところで……先に上の空間を確認しておきませんか、といった話になった。
壁面に描かれたサメはひときわ巨大で、危険に立ち向かう前にできるなら見落としをなくしておきたい……ということで。
[メイン] 井ノ上たきな : これまで避けていた、タコの描かれた上方の空間へとつま先を向ける。
[メイン] タコ : 部屋の方に進むと、その中に巨大なタコが鎮座している。
[メイン]
GM :
映画などでなら見たことがあるかもしれない大きさだが、通常にはまずありえないサイズである。
こちらに危害を加えてくる様子はないようだが、動きなどを見ている限り、作り物のようには思えない。SANc(0/1)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=59 (1D100<=59) > 6 > スペシャル
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=54 SANc (1D100<=54) > 100 > 致命的失敗
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] SAN : 54 → 53
[メイン] GM : 奥へ続く通路はタコの脚が邪魔をしており、タコをどうにかしなければ通ることはできない。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
……まあ、別段なんともないはずなんですが……うねうねと動く触手に、つい先刻の背中に回された腕を思い出して……一瞬心臓を跳ねさせます。
[メイン] ウィスパーレイン : 「奥に道が見えますが……塞がれていますね。先には、確か……建物があるはずです」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……どうかなさいましたか?」
ちらりと目を向ける。
[メイン] 井ノ上たきな : 「あ……えっ、ええ……いえ、何でも……」
[メイン]
井ノ上たきな :
「……そうそう、建物でしたよね!」
「現状、あちらへ向かうのは難しそうですし……一度、周りをよく観察してみますか」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……? はい」
[メイン] 井ノ上たきな : ……誤魔化すようにきょろきょろと。
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=80 目星 (1D100<=80) > 95 > 失敗
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=75 目星 (1D100<=75) > 34 > 成功
[メイン]
GM :
奥への道がある側の壁には、遠くにも見える円柱状の建物にも似た絵が描かれている。
その内部にある無数の青い点や、建物のそばには太陽が描かれているように見える。
ほかにも絵があったようだが、その先の壁は崩れてなくなってしまっている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「この壁……何か、絵が描かれているようです」
崩れかけの壁に歩み寄ると、身を傾けて観察する。
[メイン]
井ノ上たきな :
「んん……?」
……。あのタコが気になって集中できません。
[メイン] ウィスパーレイン : 「向こうの建物も、最初の建物と同じなのでしょうか……しかし、近くに太陽が描かれているように見えます……」
[メイン] ウィスパーレイン : 壁画を読み終わり、振り返って。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……あの。やっぱり、お体に何か……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……い、いえ……大丈夫ですよ、なんとも」
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
……しかし……いくら誤解を招いているとはいえ、心配させたままというのも忍びないですね。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……それでも心配なら、その……も、もっと近くにいてくださいよ。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……分かりました。それで貴女が楽になるのでしたら」
小さく頷いて、辛うじて肩が触れないような近さに。
[メイン]
ウィスパーレイン :
……勇気のいる発言をしてくれたんだと思う。報いるためにも、ちゃんと見ておかないと。
「では、私の傍を離れないで……次の区画まで歩いて大丈夫そうですか?」
[メイン] 井ノ上たきな : ……こくん。
[メイン]
井ノ上たきな :
……そこまでして、気付く。
レインさんは、あの時みたいに……わたしが先走って無理しないように、気遣ってくれているのだ……と。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ありがとう、ございます」
[メイン] 井ノ上たきな : それに甘え、なおさら体温を上昇させながらも……少しして、隣の区画へと辿り着く。
[メイン]
GM :
突然、目の前にゆっくりと落ちてくるものがあった。
見てみればそれは貝の一種。じっと見ればそれは2、3度揺れ、中から顔を出したのはヤドカリだった。
[メイン]
GM :
この部屋は、空間の左上へ伸びる上り坂の先に、【展望台】のようになった場所がある。
その手前には少し広い空間があり、何本かの線が引かれて床に【模様】を刻んでいるようだ。
また、展望台の隣、壁になった部分にはなにか【4つの絵】が描かれている。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……この子たちには星の模様はないみたいですね」
手のひらで抱えつつ、【4つの絵】の方に目を遣る。
[メイン] GM : シルエットや記号が描かれている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「選ばれた4人……だったのでしょうね……」
床の【模様】に目を走らせる。
[メイン]
GM :
線が引かれており、この部屋の中に縦4マス×横3マスの区切りをつくっている。
その左上にあたる部分にはどうやらウミガメか何かの絵が描かれていたようだが、掠れてしまってよくわからなくなっている。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……ウミガメの絵のようですが……掠れて、よく分かりません」
[メイン]
井ノ上たきな :
「ふむ。確か地図にも、こちらのエリアにウミガメの絵が描かれていましたね……」
それに応えて模様を観察しつつ、【展望台】の方へと回り込んでみる。
[メイン]
GM :
先の景色、青い世界と珊瑚礁や魚の群がよく見える。
そのほか、この少し上には絶えずウミガメの群が泳いでいっているようだ。
ウミガメたちが上を通り過ぎるたび、展望台部分には一瞬だけ影が落ちる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ううん。宝石にも反応しませんし、やはり一度南東の部屋へ……っ……」
振り返ろうとしたとき、突如真上を通ったウミガメの影に視界が覆われ……思わずバランスを崩す。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……っとぉ!!?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「たきなさん!?」
慌てて体を支え──と言ってもちょっと遅れてしまった。
[メイン]
井ノ上たきな :
「ふぁ……」
両者を巻き込む形で転倒する。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……ったた……す、すみませ……っ?」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……うっ、うう……」
[メイン] ウィスパーレイン : 陸に打ち上げられたクラゲのようになっている、
[メイン] 井ノ上たきな : 「れっ、レインさん!?!?」
[メイン] 井ノ上たきな : 慌てて介抱しようとして……その足元がほんのり淡く光っていることに気付く。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。これは……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「たきなさんと出会って……思えば、短い時間でした……。
それでも……たくさんのものを……貰った、気がします……」
小さく手を伸ばし、儚い笑顔を浮かべる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……っ!?」
「ちょっ、しっかりしてください…!レインさーん!!」
[メイン]
井ノ上たきな :
[メイン] GM : 順番通りに乗ると、左上のマスが一際強く輝きだし、そこに描いてあった模様から金色の光が漏れ、次第にもとのかたちを形成していく。
[メイン] ウミガメ : その模様はしっかりとウミガメの形をとったかと思うと、今度は模様がゆっくりと盛り上がり、やがてそこには一匹のウミガメが現れていた。
[メイン] ウミガメ : ウミガメは何事もなかったように泳いでタコのほうへ行き、タコの周囲を一周したかと思えば、居座っていたタコと共に広大な海へと泳ぎ出す。SANc(0/1)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=59 (1D100<=59) > 89 > 失敗
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] SAN : 59 → 58
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=53 SANc (1D100<=53) > 59 > 失敗
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] SAN : 53 → 52
[メイン]
ウィスパーレイン :
「巨大蛸さんが……広大な海へと連れていかれます……」
私がたきなさんに何度かされていたように……。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……ええ。これで奥に進めるようになりましたね……?」
……何か今変な想像されてなかったでしょうか?
[メイン] 井ノ上たきな : 気を取り直して、塞がっていた道の先へとレインさんを連れていきます!
[メイン]
GM :
壁や手すりのない、細長い通路。
一本道の先には最初の建物と同じタイプの【建造物】があり、その入り口を守るようにして【巨大な影】が蠢いている。
[メイン] GM : ここから見える遠景は真っ青で、どうやらこの辺りが珊瑚礁の端、そしてここから向こうになるともうほとんどなにもない、ただただ真っ青な世界が広がるだけの沖へと向かって行くのだろうということがわかる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……そのまま、離れないでくださいね」
気遣う意味も、自身の不安を紛らわせる意味も込めて……不安定な通路の上で、レインさんに囁きます。
[メイン] 井ノ上たきな : ……地図にあった時点で、予想はしていましたが……と、改めてその【巨大な影】を目で認めます。
[メイン]
サメ :
それは、奥の建物の入り口を守る、とてもとても大きなサメ。
通常のサメの何倍もの大きさがあり、クルーザー程度なら丸々一隻呑み込んでしまうのではないかと思えるほどだ。
[メイン] GM : あれに狙われたら、ひとたまりもないだろう。SANc(0/1)
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=52 SANc (1D100<=52) > 51 > 成功
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=58 (1D100<=58) > 89 > 失敗
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] SAN : 58 → 57
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……っ!わ、分かって……います……」
耳元の声と、目の前の鮫……ど、どっちに震えたの?
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
……勿論、恐ろしさがないと言えば嘘になりますが……このような状況で、わたしが驚いていられません。
[メイン] ウィスパーレイン : ごくり。唾液を飲みながら、彼が門番のように立ちふさがる【建造物】を見上げた。
[メイン]
GM :
最初の建物と同じように見える。
扉には細やかな金の装飾が施されており、じっと見ていると禍々しくも感じられる。
塔のような建物で、それなりに大きく、外側の壁は白い。
よく見ると、上のほうの壁には閉じた目の模様が描かれているようだ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
”閉じた目”……。ここで目覚めた時の塔は、”開いた目”で表されていた。
だとするなら、あの塔は……。視線をたきなさんへと向ける。
[メイン]
井ノ上たきな :
その意図を察し、頷く。
「……ならば、なんとしても越えなければ……ですね」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そう……ですね」
少しだけ、濁りのある返答をする。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
「……レイン、さん。」
[メイン]
井ノ上たきな :
少し逡巡したのち。
「もし、あの塔の中に無事にたどり着けたら……ひとつ。お伝えしたいことがあります」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「私も……です」
胸の前で手を握り締めて。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「行きましょう……」
歩き出す。どうするべきかは分かっていて、悩む時間だってもうここには無い。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
頷く先はその言か、心中か……足を揃え、目的の地へ向かう。
[メイン] GM : 台座がある部屋に着きました。
[メイン]
井ノ上たきな :
──ホオジロザメは血の匂いにおびき寄せられる。
彼を呼ぶならば、金の装飾が施された盃に血を注げ──
[メイン]
井ノ上たきな :
つかつか、と台座の近くへ歩を進める。
……不幸中の幸いというべきか、怪我の功名というべきか……血液なら、ちょうどいいタイミングで供給できる、と。
[メイン] 井ノ上たきな : ……それでも、わざわざこの腕を治してくれたレインさんの前では……少々、申し訳が立たないけれど。
[メイン]
井ノ上たきな :
「……じゃあ、行きますね」
複雑な表情で包帯を外し、ウィスパーレインを振り返ろうとしたところで──
[メイン] ウィスパーレイン : かぷり。
[メイン] ウィスパーレイン : 自分の、手の薄い皮を小さく噛んでいる、ウィスパーレインの姿が見えるだろう。
[メイン] 井ノ上たきな : ────え。
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] HP : 11 → 10
[メイン]
ウィスパーレイン :
虚弱は単に病気や怪我に弱い、という話に留まらない。
血の量、血を固める速度、それらすべてが人並外れて弱い体は傷の大きさ以上に血が流れる。
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] HP : 10 → 9
[メイン]
ウィスパーレイン :
歩み寄って。
「一緒に──って。ずっと言ってくれたじゃないですか……」
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] HP : 9 → 8
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
だけど、その選択は……ッ!
[メイン] 井ノ上たきな : ウィスパーレインのように治し方を知らない人間は、ただ……辛うじてそれを模倣することしかできず。
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] HP : 8 → 7
[メイン]
井ノ上たきな :
「………………バカ……」
自らの布で、それを押さえつける。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……合理的じゃなくて……ごめんなさい」
手を預けながらまた少し、血の気を失った顔で微かな笑みを浮かべる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
「……お互い様、ですよ」
[メイン]
ウィスパーレイン :
……優しい手。
目を瞑って、体の内から熱が逃げていく感覚が引いていくのを感じた。
[メイン] 井ノ上たきな : はぁ……と、小さな吐息。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………なら、せめて。」
「わたしが受けた施しも、一緒に返させてくださいよ」
[メイン]
井ノ上たきな :
びり……と。
近くに残った珊瑚にたもとを引っ掛け、勢いよく引きちぎる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……!」
[メイン] 井ノ上たきな : 「……包帯なんて、贅沢なものはありませんが。」
[メイン] 井ノ上たきな : くるくると、細い腕に小さく巻きつけ。
[メイン] ウィスパーレイン : 「……あ……」
[メイン] ウィスパーレイン : 鼓動の音が強くなる。患部が圧迫されたせい?
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
最後に、最も嬉しかったこと。
てのひらの体温を、ぎゅ……と込めて。
[メイン] ウィスパーレイン : 「…………温かい」
[メイン] ウィスパーレイン : 「温かい、です……」
[メイン] 井ノ上たきな : くす。
[メイン] 井ノ上たきな : 「ええ、温かい……です。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
もう少しだけ、この暖かさに浸っていたい……とは思ったけど。
「もう、大丈夫……血は止まりました。ありがとうございます……」
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
頷いて、そっと手を引く。
[メイン]
ウィスパーレイン :
見様見真似、とは言っていたけれど見事な処置だった。
粗さはあっても、出血は的確に抑えられている……。
[メイン] 井ノ上たきな : 「……あんまり無茶なこと、しないでください。わたしの出血を見て、あなたが痛いと言っていた意味がよくわかりました」
[メイン]
井ノ上たきな :
…………はぁ。
「──でも、嬉しかったです。とても」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……え?」
少し不器用な包帯を見ていた視線を上げる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
すぐ近くに、奴が迫っていることは感じ取れる。
[メイン]
井ノ上たきな :
「わたしのために頑張ってくれて、すごく……嬉しかったんです、レインさん」
──けど。今誤魔化したら伝わらない……永遠に。
[メイン] 井ノ上たきな : すぅ……と顔を寄せ──その頬に、小さく。
[メイン] 井ノ上たきな : ────。
[メイン] ウィスパーレイン : 「────!?」
[メイン] 井ノ上たきな : ……触れた唇の離れる音。
[メイン] ウィスパーレイン : 瞼を何度も開け閉めしてもゆっくりと顔が離れるばかりでつまり──つまりその切れ長の瞳とか形の整った鼻とかそういうものが先ほどまですぐ──傍、に──!?!?
[メイン]
井ノ上たきな :
…………。
「急ぎましょう。奴は……すぐ近くまで来ています。」
[メイン] 井ノ上たきな : それだけ済ませると、ぐい、と──ただし、患部を傷つけないよう慎重に──彼女の手を引き寄せ、足早に目的地へ急ぐ。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「え……」
頬に手を当てて、まだ状況が呑み込めないという様子で。
ただ手を当てた場所だけが強い熱を持っている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「ふぁい……」
連行、数度目であった。
[メイン] GM : 盃に血液を垂らすと、その場に血煙のようにして留まり、ゆっくりと広がりながら沈んでいった。
[メイン] GM : 2人が去ったあとしばらくすると、この場所全体を回り込むようにしてサメが来たことがわかるだろう。
[メイン] GM : そしてあなた達は先ほどまでサメが守っていた建物の前にたどり着く。
[メイン]
GM :
最初の建物と同じ見た目、構造の建造物。
そして、同じように扉もある。
[メイン] 井ノ上たきな : ……周囲の安全を確認しつつ、二人で扉の中へ突入しましょう。
[メイン] GM : 扉を開けると、周囲が輝き、無数の青い光の点が浮かび上がる。
[メイン] GM : しばらく外からの光を取り入れていると、壁の黒い部分が金色に輝き、水鏡に景色を映す。
[メイン] GM : そこに映ったのは、暗くどこまでも深い闇へと続く、海のような穴のようなもの。
[メイン] GM : 他にも何かが映っているように見えたが、それが何かを確認する前に景色は別のものへと移り変わる。
[メイン] GM : 次に見えたのは、地球上のようには見えない、荒れ果てた奇妙な大地の光景だった。
[メイン]
GM :
更にその次にはまた海か湖のように見える景色と、その上にある、不気味な色をした空らしきもの、そこを飛ぶ鳥のような虫のような影が見えた。
水鏡越しとはいえ、そのように不気味で奇妙な光景を目撃し、恐怖や不快感にも似た感情が探索者の内に湧き上がる。
[メイン]
GM :
それでいて、そのような得体の知れない光景にある種の魅力すら感じ取ったのだろうか、それとも、映る景色があまりにリアルで、ふとそう思ってしまっただけなのか。
景色の中に、飛び込めそうだという考えが脳裏を過ぎった。SANc(0/1d3)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=57 (1D100<=57) > 35 > 成功
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=52 SANc (1D100<=52) > 81 > 失敗
[メイン] 井ノ上たきな : 1d3 (1D3) > 1
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] SAN : 52 → 51
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
「……お話がある……ということでしたよね」
[メイン] 井ノ上たきな : すぐ隣の彼女をゆっくりと振り返る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……はい」
映る景色から、一度目を逸らして。
[メイン] ウィスパーレイン : すぐ隣の彼女をゆっくりと振り返る。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「…………」
青に彩られた、幻想的な空間。
彼女は最初に出会ったときと同じようにそこで立っている。
[メイン]
ウィスパーレイン :
初めは鋭い雰囲気を纏っていると思った。それなら冷たい青はよく映える。
少しずつ、その温もりを知った。言葉で、手で、心で。
[メイン] ウィスパーレイン : 穏やかで包み込むような青は、まだ彼女によく映えていた。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「私の体が少し特別……というお話はしましたね……」
ぼそぼそと、話し始める。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……体が弱いのは一つの側面に過ぎません。一番重篤な症状は……
……記憶障害、と言うのが分かりやすいかもしれません……」
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………」
[メイン]
ウィスパーレイン :
……静かに、彼女は話を聞いてくれている。
声で小さく水面が震えて波紋になる。
[メイン] ウィスパーレイン : 「私は……すべての記憶を失います。期間は不定ながら……大切な記憶も、悪い記憶も……全て置き去りにして……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……それでも、失くしたくない記憶を。
私は何度も、何度も繰り返し記憶しようとして……」
[メイン]
ウィスパーレイン :
大きなことじゃない。自分以外からすれば、ほんの小さなこと。
それを誘うのに、こうも回りくどい話をするのは……ある種、彼女を自分の人生に永遠に縛り付ける罪悪感からだろうか。
[メイン] ウィスパーレイン : 「映画の半券を……ずっと、取っておいているんです。それを見た記憶は、永遠にそのチケットに保存されるんです……私が忘れてしまっても」
[メイン] ウィスパーレイン : 「……一度だけで、いいので……私と映画を見に行ってくださいませんか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
淡い紫色の瞳を見つめる。どんな自分の顔が映っているだろう。
ただ、映画に誘うだけなのに……。
[メイン] 井ノ上たきな : 「…………。」
[メイン]
井ノ上たきな :
最後の言葉を聞き取ったのち。
ぱち、ぱち……と、大きくまばたきを二回。
[メイン] ウィスパーレイン : 心臓が痛いほど、早鐘を打っている。
[メイン]
井ノ上たきな :
すぅ……と、息を吸い込む音。
「わたしは──」
[メイン]
ウィスパーレイン :
唇の動きに目が吸い寄せられる。
時間が異常に遅くなる感覚。先を聞くのが怖い気持ちと……でも、聞かないと……。
[メイン]
井ノ上たきな :
……はぁ。
「──無茶をしないでください……と言いましたが、無茶を言わないでください……なんて、言った覚えがありませんが。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「見に行けばいいじゃないですか。
一度なんて言わず、二度だって三度だって……何十度、何百度だって。」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……っ」
今度は、こちらがまばたきする番だった。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………」
ゆっくりと噛み締めるように、再度口を開く。
[メイン]
井ノ上たきな :
「あなたの身体のこと、記憶のこと──わたしに全てどうこうできるわけじゃありません。」
「……でも、あなたがわたしの傷を何度だって治してくれたように……忘れてしまうなら、わたしが何度だって取り戻してあげます。」
[メイン] 井ノ上たきな : 「あなたと一緒にいられて……本当に、嬉しかったから。」
[メイン]
井ノ上たきな :
たとえ永遠に人生を縛り付けられようと。
それは……わたしにとっての幸せでもあったのだから。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そんな……。そんな……!」
目が俯いて、また見据えて。
[メイン] ウィスパーレイン : どうしてそんなに優しい言葉を言えるんだろう?
[メイン]
井ノ上たきな :
彼女の目に映る像が……くすり、微笑んで。
「──だから、ひとつ……わたしからも、お願いです。」
[メイン]
井ノ上たきな :
「同じ屋根の下、わたしがあなたとの日々の証しになってあげますから……
代わりに、わたしの日々の証しに……なってくれませんか?」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「……へ?」
像が潤みつつある瞳でぱちりと瞬きをした。
水滴が頬を伝った。
[メイン]
井ノ上たきな :
「…………。」
「……ああ、もう……まどろっこしいですね!」
[メイン]
ウィスパーレイン :
「そ、それは……どういう……!」
……一つの意味しか思いつかない。
[メイン] ウィスパーレイン : 「ふぇっ──」
[メイン] 井ノ上たきな : 跳躍して。
[メイン]
井ノ上たきな :
そのまま、景色の中へ。
──ウィスパーレインの身体を、ぎゅう…と、正面から抱えながら。
[メイン]
井ノ上たきな :
「好きです。ずっと傍にいてください」
[メイン]
ウィスパーレイン :
塔から足が離れて。
──たきなの身体に、ぎゅう…と、正面から抱えられて。
[メイン]
ウィスパーレイン :
「え え え ええぇぇぇえぇぇぇ……!!!???」
[メイン] ウィスパーレイン : 鏡面に──
[メイン] GM :
[メイン] GM : 水鏡に飛び込んだ瞬間、視界が黒く染まる。
[メイン] GM : やがてその黒は全ての光を塗りつぶし、目を開いているのか閉じているのかもわからない完全な闇へと変わっていった。
[メイン] GM : やがてあらゆる感覚が曖昧になってくる頃、探索者の耳には、ごぼごぼと。水の中へ沈んでいくような音が届いた気がした。
[メイン] GM : 次に目を開けたとき、そこは暗い世界だ。
[メイン] GM : 真っ暗。薄暗い。やがて目が慣れ、周囲の様子を認識できるようになったとき、何かが探索者の足首を濡らした。
[メイン] GM : それはすぐに引き、そしてまた同じ位置までやってくる。
[メイン] GM : 海の波だろうか?
[メイン] GM : そう思って見渡せば、そこには真っ黒な海がずっと向こうまで広がっていた。
[メイン] GM : 海の上、空には星一つなく、周囲をよく見渡せばごつごつとした岩肌、多くの尖った岩場などが目立つ。
[メイン] GM : ここは一体どこなのだろう?
[メイン] GM : そう思ったとき、探索者の前に何者かの人影が現れた。
[メイン] ??? : どうしたのかと見てみれば、その人物には顔がなく、そのかわりに顔を暗示させるような空白だけがあった。
[メイン] ??? : 更に目が慣れ、いや、それが近づいてくるにつれ、その人型は内側に向かって曲がる角、コウモリのような大きな翼、そして棘のついた尻尾をもっていることにも気付く。
[メイン] GM : 化け物としか呼びようのないそれを目撃し、反射的に逃げようとした脚を何者かが掴んだ。
[メイン] GM : その腕か何かは海の中、水の中から生えている。
[メイン] GM : 暴れる探索者を逃がすまいと、水の中からは無数の腕が現れ、そのまま海に引きずり込もうとしているようだった。
[メイン] GM : それに気付いたあたりで悟る。
[メイン] GM : この腕から逃れられても、あの怪物に捕まってしまう。
[メイン] GM : かといって怪物から逃げようとすれば、この辺りは全て海だ。
[メイン] GM : どうしたって助かりようもないだろうという予想と事実が、探索者の正気を奪い去る。
[メイン] GM : やがて意識も、夢へと沈む。
[メイン] GM : SANc(1d6/1d20)
[メイン] ウィスパーレイン : ccb<=57 (1D100<=57) > 20 > 成功
[メイン] 井ノ上たきな : ccb<=51 SANc (1D100<=51) > 52 > 失敗
[メイン] ウィスパーレイン : 1d6 (1D6) > 1
[メイン] system : [ ウィスパーレイン ] SAN : 57 → 56
[メイン] 井ノ上たきな : 1d20 (1D20) > 10
[メイン] system : [ 井ノ上たきな ] SAN : 51 → 41
[メイン] GM : その後、あなた達の姿を見たものは誰もいない。
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン]
GM :
シャンクトゥルフ
「Mare Somnium」
[メイン] GM : エンディングB「深海」
[メイン] GM : 探索者ロスト
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM :
[メイン] GM : 宴ですわ~!!!
[メイン] ウィスパーレイン : 宴ですね……!!
[メイン] 井ノ上たきな : ……う、宴だァ〜〜!!!